撮影/会議
今日は午後から横浜の神奈川芸術劇場に出かけて、TPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜2012)でモバイルハウスを展示する、坂口恭平さんの組み立てを撮影していた。諸般の事情で、完成までは撮れなかったのだけど、明日のUPLINKでの坂口さんとの対談で上映しようと思う。緊急上映、乞うご期待!(明日、簡単に編集。間に合うかな・・・。)
夜、大幅に遅刻して『渋谷ブランニューデイズ』の会議に出る。
2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。
今日は午後から横浜の神奈川芸術劇場に出かけて、TPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜2012)でモバイルハウスを展示する、坂口恭平さんの組み立てを撮影していた。諸般の事情で、完成までは撮れなかったのだけど、明日のUPLINKでの坂口さんとの対談で上映しようと思う。緊急上映、乞うご期待!(明日、簡単に編集。間に合うかな・・・。)
夜、大幅に遅刻して『渋谷ブランニューデイズ』の会議に出る。
今日は夜、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで、話題の『311』を見た。昨年、山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された時は、『よみがえりのレシピ』と上映が重なり、僕は後者を見たのだった。『311』上映後、賛否の声が渦巻いていた、との声が聞こえてきていた。本作はドキュメンタリーでいずれも実績のある、安岡卓治・綿井健陽・松林要樹・森達也の4名が東日本大震災の2週間後、被災地に入って撮ったドキュメンタリー。4人が撮影し、4人の共同監督ということになっており、編集は安岡卓治氏。まず、4人は福島第一原発周辺に向かう。ガイガーカウンターが高い放射線量を示しピーピー鳴っている様はリアルであるが、字幕にもある通り、何を撮りたいのかてんで定まらず、結局、引き返してしまう。僕はここで嫌な予感がしていた。その後、岩手県、宮城県と津波の甚大な被害にあった地域に入り、撮影を続けるのだが、僕の中では失望感が湧いてきた。映画を見終わった時の感想は、結局、彼らは「人」に出会えなかったのだ、と思ったのだ。もちろん、震災の2週間後、限られた撮影日数、という条件はあっただろう。だけれども、百戦錬磨の彼らなら、もっと人に出会えたはずだ、と思うのだ。もちろん、本作にも何人かインタビューに答えている方はいるし、特に医師、子どもを亡くした母親の話はには胸を突かれる。だが、どこかこのインタビューすら投げやりな感じがするのだ。こうしたことが残念だ。加えて、上映後、編集した安岡さんは撮影する者の加害性、煩悶が浮かび上がった、と語っていたが、僕にはあまり感じられなかった。だから、僕には話題にもなっているシーン、遺体を写している人(安岡さんだそうだ)に棒きれが投げられるシーンもそれほど印象が残るシーンとも思えなかった。3月3日から公開されるが、どんな反応が起きるのだろうか。
午前中、『モバイルハウスのつくりかた』ホームページに掲載予定の「『モバイルハウスのつくりかた』のつくりかた」を書いていた。今日のところはクランクアップまで書いた。もう少し、完成するまでのところを書こう。全体的にかなりの分量になったが、どうだろうか。
午後、予告編(仮)の手直し。2月10日に上映予定。正式な予告編はもう少し先になる。だから今のところ、僕が編集した暫定版。だからネット等には公開しません。
代島治彦著「ミニシアター巡礼」を読み終わった。昨年発売された時からずっと気になっていたのだけど、自分の映画の最後の仕上げ、公開に向けての交渉などが重なり、なぜだか読むのが怖かったのだ。だから、読むのがすっかり遅くなった。代島さんにはポレポレ東中野時代、僕が初めて映画館で映画を公開した『科学者として』の時、お世話になった。今だから言うが、映画館での公開に正直、厳しい見方をされていたのだが、僕の方はかなり強引に上映させてもらったことを覚えている。しかし、あのチャレンジがなかったら、今はない、ことは間違いない。本題から外れてしまったが、本書は全国のミニシアターを訪ね、代表者や支配人に聞いた話をまとめたもの。著者本人がかつて映画館を運営し、複雑な事情から閉館を余儀なくされた経験を持っているだけあって、通り一遍のインタビューではなく、映画館を運営する楽しみも苦しみも受け止めて書かれている点が読み応えがある。多くのミニシアターで共通しているのは、前史とも言うべき時代があって、自分たちで見たい映画を上映する自主上映がスタート地点であり、徐々に常設の映画館を求めていったことだろう。映画館の経営は「映画が好き」というだけでは成り立たないが、あふれるほどの映画愛がないと出来ないことでもある。ミニシアターの苦戦が昨今、語られていて、僕には打開策などとても思いつかないのだが、デジタル化の波で再び苦境を迎えてもいる。本書に出てくる映画館は、全部ではないが、僕も自分の作品を上映してもらった映画館も多い。映画は出来ただけでは終わらない。上映してくれる人がいて初めて、観客と出会うことが出来る。願わくば、僕も再びそういう映画館で上映したい、と思っている。(追記:僕の名前が1か所出ていたのはびっくり。名前を間違えていたけど。)
今日は昼ごろ、歩いてアサヒ・アートスクエアに行って、「北川貴好 フロアランドスケープー開き、つないで、閉じていく」展を見てきた。アサヒ・アートスクエアと言えば、音楽や演劇などの劇場空間というイメージがあるが、アーティストに作品制作の空間を提供する試みを始めたのだそうだ。その第一弾がこの展覧会だそうだ。とても大きな空間なので、生半可な表現では空間に負けてしまうと思うのだけど、本展では繊細さと大胆さが絶妙ななバランスで成立させた空間に生まれ変わっていて新鮮だった。(ただ、個人的には洗濯機の武骨さに少し違和感があったのではあるが。)加えて、元々劇場空間だった特性を生かして、変化する照明が効果的に使われていて良かった。今後もどういうアーティストが作品を発表していくのか楽しみだ。(家から近いしね。)
その後、新宿のニコンサロンに行って「フォトシティさがみはら2011 プロの部入賞作品展」http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/02_shinjyuku.htm#01 を見た。相模原市が主催している写真賞だそうだ。昨年のさがみはら写真賞を石川真生さん http://blog.livedoor.jp/ishikawamao/ が受賞した。昨年出版された「FENCES,OKINAWA」は出色の写真集だったので、こういう賞が与えられるのは当然だろう。展示されている写真は、撮られた時期は様々だが、米軍基地周辺の人びとの表情が米兵の姿も含めて生き生きと捉えられていて、人を撮り続ける石川さんの魅力が凝縮されてもいる。そしてさらに、photographer’s galleryhttp://www.pg-web.net/ に行って、石川さんの「港町エレジー」展を見る。石川さんの写真はどれも素晴らしいけど、僕はもしかするとこの「港町エレジー」がもっとも好きかもしれない。撮られた時期は少し前になるが、沖縄の港周辺に暮らす、沖中仕達の喜怒哀楽が生々しい。時には見ていて吹き出しそうになり、カッコいい姿があったり、酒を飲んで酔っ払った姿があり、喧嘩もあり、その場で一緒に呼吸している石川さんの息遣いも聞こえてきそうだ。僕は今や貴重な写真集を持っているのだけど、今回の展示では写真集に掲載されていないものも多数ある。あとのトークで聞いたのだが、東松照明さんが選んだものもあるそうだ。そのトークではかつて恋人だった沖中仕との関係を赤裸々に語っていた。(僕は2004年に一緒に展覧会を沖縄でやった時に、舞台となった場所周辺を石川さんと歩きながらインタビュー撮影をしたことがある。)それにしても、東京で3か所、横浜で1か所、同時に写真展が開催されている、というのは本当に素晴らしい、と思う。
今日は午後から、伊勢真一監督の最新作『傍(かたわら)~3月11日からの旅~』を試写で見た。伊勢監督が被災地に通っていることは聞いていたので、どういう映画になっているのかとても気になっていた。本作は宮城県亘理町で被災した伊勢監督の友人のシンガーソングライター苫米地サトロさんを震災後4日に訪ねていくところから始まる。このスタンスが多くの報道や映画と違った独特の関係の中から捉えられた被災地の映画になっている。と言っても、長年、優れたカメラマンや録音マンと仕事をしてきた伊勢監督だけあって、親しき仲にも十分な節度を持って接していることが画面から伝わってくる。そしてこうした節度が、他の多くの被災者を写す時にも感じられて、多くの方が容易に乗り越えることなどできない心の傷を感じている様が静かに伝わってくるのだった。そして本作の重要な部分が、サトロさんや友人たちが始めたFMあおぞらhttp://www.town.watari.miyagi.jp/index.cfm/22,0,126,html の活動だ。東日本大震災の後、最も身近なメディアとして各地で新しいコミュニティFMが生まれた。遠く離れた僕のような者は、なかなかその様子を知ることが出来ないのだけど、本作を見るとその様子を垣間見ることが出来る。特に胸を打つのは、月命日ごとに亡くなった方々の名前を伝え続けていること。ウトロさんや奥さんがこみ上げる涙を堪えながら、一人ひとりの名前を読み上げていく。市民メディアの活動や、メディア論を研究しているような方にはぜひ見てほしいと強く思った。そして、特筆すべきは、月と海の映像。伊勢監督の映画では、今までも月と海の映像は重要なイメージとしてよく描かれてきた。本作にも月と海が出てくるが、受け止める僕たちには、いろんな気持ちを投影して月と海を眺めるだろう。だからこそ、本作のクレジットでひときわ大きく映る月がいつまでも心に残ると思う。本作の一般公開はまだ決まっていないらしいけど、子どもたちよ!-いのちは生きるほうへ向かうhttp://www.facebook.com/kodomotachiyo というイベントと、大倉山ドキュメンタリー映画祭http://blogs.yahoo.co.jp/ookurayamaeiga/MYBLOG/yblog.html で上映される。
今日は夜、『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』(三宅流監督)を試写で見た。なかなか読みづらいタイトルかもしれないが、「くっきょうのち」と読むそうだ。内容紹介をコピペさせてもらうと、岩手県北上市の岩崎、という農村地域に古くから伝わる民俗芸能、「岩崎鬼剣舞」(国指定重要無形民俗文化財)。1300年の歴史を持つ、と言われるこの芸能は、もとは念仏を唱えながら踊る「念仏剣舞」ですが、異形の面をつけて勇壮に踊ることから「鬼剣舞」とよばれています。一年間、鬼剣舞にたずさわる人々、その地域に生きる人々の姿を追い続けたドキュメンタリー映画。さすがに1年間追い続けただけあって、季節ごと様々な場面で踊られる鬼剣舞がたくさん出てくる。加えて面白いのは、伝統芸能、というと、つい高齢者が細々と続けているイメージがあるかもしれないが、小学生から高校生まで、皆楽しそうに舞っているのだ!だからこそ、小学校の閉校という、寂しい盆踊りでも皆が同じ踊りを踊って、ほとんどカーニバルのような場面が出来するのだった。そして、鬼剣舞は文字通り冠婚葬祭で踊られる。こうして見てくると、人の一生も、地域の季節も鬼剣舞とともに回っていることが伝わってくる。本作は2008年の作品だが、昨年の東日本大震災を受けて、昨年東北で巡回上映してきたそうだ。その思いが東京まで届いてほしい。
映画『モバイルハウスのつくりかた』の公式サイトがオープンしました。こちら。まだ、仮チラシを掲載しただけの、仮オープン状態ですが、徐々に内容を増やしていく予定です。このブログも移行予定です。