『DXな日々 美んちゃんの場合』
ずっと前にチラシを見ながら、どうもよく分からないタイトルということもあって、ずっとみていなかったのだけど、上映最終日ということで気になって、『DXな日々 美んちゃんの場合』(監督:谷光章)という、ドキュメンタリー映画を見た。まず、DXはディスレクシア、ということらしい。で、このディスレクシアを簡単に説明するのが難しいのだが、この映画はこのことを広く知ってもらう意味合いもあって、きちんと丁寧に説明してくれる。ホームページをコピペすると、知的に問題がなく、聴覚、視覚の知覚的機能は正常なのに、読み書きに関して特徴のある つまずきや学習の困難を示すLD=学習障害のひとつの症状のこと、となる。映画の中でも紹介されているが、この障害をカミングアウトした有名人にトム・クルーズがいて、彼は脚本を「読んで」覚えるのではなく、他の人から「聞いて」覚えているのだそうだ。ディスレクシアの人たちは、字が「読めない」わけではなく、一文字一文字を区別してじっくり読んでしまうので、一続きに読むことが困難なようだ。本作では様々な不便がありつつも、普通に仕事をしている人が何人も登場するが、主人公の美んちゃん(あだ名)は、事務仕事のつまずきから何度も仕事を首になり、仕事を探している姿が描かれている。本作は最近、あまり見かけなくなったような、一昔前に教育映画と言われていたような、知識の伝授をを主眼にした描き方と、美んちゃんの生きる姿が同じような比重で描かれている。色々、学ぶことが多い映画ではあった。