2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2012/1/21 土曜日

新年会/カフェ放送てれれ上映会

今日は夕方、国立感染研の安全性を考える会の新年会に出席。新年会に出るのは久しぶりのような気がする。この会の前会長でもある数学者の武藤徹さんの講演を聞く。数学は穀物採集から始まり、幾何学の発祥には測量、ひいては徴税が関係しているという数学の歴史には目が鱗。途中、なかなかに理解するのが難しい話もあったが、最後は、感染研裁判でHEPAフィルターからの漏出を数学的に証明した話は胸がすく思いだった。懇親会には出ず、別の場所へ。

その後、路地と人 http://rojitohito.exblog.jp/ へ行って、カフェ放送てれれ1・2月号他の上映を見る。毎度、自由な雰囲気が好きなてれれ。ぶっとんだのは「妊婦さんへのあったかメッセージ」という作品。いろんな作家の本や主婦の人などの赤ちゃんへのメッセージを文字で延々見せる作品。メッセージ自体には?と思うものもあったが、とにかくメッセージを届けたい、という熱意には脱帽。その後、てれれの6本目に上映された早川由美子さんがレポートしていた、ベトナムのDOC LABの2作品を上映。先のレポートにあったように、かなり製作者たちは鍛えられているようで、洗練された表現が印象的。次に、早川さんの監督作2本の予告編。調子に乗って、僕も『モバイルハウスのつくりかた』の予告編(仮)を飛び入りで上映させてもらった。上映後もいろんな話で盛り上がった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:40:05

2012/1/20 金曜日

『幸せな時間』/会議

今日は雪が降る中、『幸せな時間』(監督:横山善太)というドキュメンタリー映画の試写を見た。本作はVIDEO ACT!の上映会でも上映したのですでに見ていた。だから感想は割愛。そして本作は3月10日からK’s cinemaで公開される。僕は今日、少し意地悪な目線で映画を見ていた。昨日、某映画の劇場公開に関して打ち合わせをしていたせいかもしれない。本作は「いい映画」だと思う。その「いい映画」を「いい映画」として伝えていくのはなかなかに難しいだろうなぁ、と思ったのだ。ドキュメンタリー映画ならなんでも見る僕のような人は稀だろう。「いい映画」を見るのは劇映画・ドキュメンタリー関係なく、映画ファンには違いない。ではなかなか普段映画を見ないような人が映画館に行きたい、と思うのはどういう時なのだろうか。何か気になる、ひっかかることがあるはずだ。そのひっかかりをどこに見つけるのか、伝えていくのかということは大切なことだと思う。難しいことだけど。・・・と自分への戒めも含めて。

夜、VIDEO ACT!の会議。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:19:55

2012/1/19 木曜日

書類作り/打ち合わせ

午前中、急いで作成しなければいけない書類を作成。ほぼ出来上がる。

午後、某映画に関する大切な打ち合わせ。いい方向になってきたと思う。近々、発表できると思います。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:41:12

2012/1/18 水曜日

『アンダーグラウンド』

やらなければいけないことがあるのに、上映が終わってしまうので、どうしても見ておきたいと思い、『アンダーグラウンド』を見に行った。名作として名高い映画のデジタルリストアによる再上映。(最近、このパターンがすっかり定着したようだ。)上映もデジタル上映。(最初のシーンに少し違和感があったのだが、徐々に気にならなくなった。)実は恥ずかしいことに、この映画を見ていなかった。(「え、あの映画を見ていないの?」ということはいっぱいある。)とにかく、騒々しく、豊饒なイメージを重ねながら、ある種の民族の悲劇を語る語り口にやられっぱなしだった。音楽もすこぶるいい。(当時、ブームになったのも納得。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:39:49

2012/1/17 火曜日

印刷・発送/作業

今日はバイオハザード予防市民センターの会報を印刷。無事、発送。

その後、某映画のBlu-ray化作業。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:10:48

2012/1/16 月曜日

編集

今日はバイオハザード予防市民センターのニュースレターの編集。執筆者の方々が昨日の締め切りを守ってくれたので、編集自体はさくさく進んだ。が、明日の発送用封筒を近くの文房具屋に買いに行くと品切れ。明日の10時に再び買いに行くことに・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:13:45

2012/1/15 日曜日

藝大先端2012

今日は「東京藝大先端芸術表現科卒業・修了制作展2012」を見に横浜のBankARTに行ってきた。BankARTはこの季節、いろんな美術系の大学の卒業展が目白押し。今やすっかり定着したようだ。僕は毎年先端芸術表現科の卒展は見に行くようにしている。3階から見始めたのだが、映像作品が多くて少し疲れた。自分も美術展で映像作品を出しながら言うのは矛盾しているが、美術展での映像作品はやはり見ていて疲れる。この展覧会だけではないが、今やハイビジョンの高精細な映像が当たり前になって、随分見栄えは良くなった。だからこそ、何が映っているのかが問われてもいる。少し駆け足で全部を見た。感想は割愛。その後、2時から「10 MONTH AFTER 3.11」と題したシンポジウムを聞く。パネラーは高山登、八谷和彦、鈴木理策、イルコモンズ、大友良英、高嶺格、山川冬樹。約3時間の長丁場のシンポだったが、とても刺激的で有意義なシンポだった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:28:18

2012/1/14 土曜日

『“私”を生きる』

今日は『“私”を生きる』の初日に行ってきた。満席。上映延長が決まったそうだ。4カ月後、僕もそうありたいものだ、と思った。今日は観客の反応もよくて、また違った感覚で見ることが出来た。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:17:04

2012/1/13 金曜日

作業

事務所にて『モバイルハウスのつくりかた』の資料作成。自分も文章を書いてみたのだが、つい、長くなってしまった。またこれからおいおい直していくことにしよう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:48:20

『無言歌』

今日は午後から『無言歌』(王兵 ワン・ビン監督)を見た。本題に入る前に、少し書いておこう。2003年に山形国際ドキュメンタリー映画祭でワン・ビン監督の『鉄西区』を見た時の衝撃は今でも忘れられない。9時間を超える作品であったこともそうだが、それ以上に、監督としての力量に恐るべきものを感じたからだ。話は飛ぶのだが、日本のドキュメンタリー映画の巨匠と言えば、土本典昭監督、小川紳介監督がいるわけだが、僕は半分冗談で両監督を比較して、野球選手で言うなら前者を王貞治タイプ、後者を長嶋茂雄タイプと言ったことがある。暴論承知で言えば、前者は努力型、後者は野生型とでも言えようか。(あくまでもイメージの話であって、厳密なものではない。)そこでふと現在のドキュメンタリー映画の監督を見渡した時に、長嶋茂雄タイプの監督はいないことに気付いた。もう、日本ではこういうタイプの監督は出ないだろうな、と思っていたところに、中国から表れたワン・ビン監督こそ、小川紳介監督の資質に最も近い監督だと思ったものだった。実際お会いしたワン・ビン監督は飄々として、野生型などでには見えないのだが、映画は違うのだ。では何が小川紳介監督の資質に近いかと言えば、時に映画内の整合性やストーリーを度外視しても、もっと大きな何かを力づくで鷲掴みにするような豪胆さを持っていることだ。さらに不謹慎を承知で書けば、ナイフの切れ味ではなく、棍棒のような鈍器でたたく感じなのだ。とにかく、こういうタイプの監督はなかなか現れないだろう。

さて前置きが長くなったが、『無言歌』はそのワン・ビン監督の初長編劇映画。1956年、中国では毛沢東が自由な批判を歓迎するとしたのだが、翌年、急に前言を翻してしまった。同時に批判の声を上げた人びとを弾圧する「反右派闘争」が始められる。思想矯正という恐ろしい目的のため、多くの人が強制収容所に送られ、強制労働を強いられる。映画は前半、特に中心人物を定めることもなく、この強制収容所の様子を丁寧に描き出していく。お粥のようなものを啜り、それすら無くなれば草を集め、ネズミを捕まえる。おぞましくも他人のおう吐物すら食べるものもいる。そして、人びとが音もなく次々に居絶えていく。そう、映画の中でこんな、丸太が倒れるような死の描き方を僕は見た記憶がない。そこには、感傷も何もない。即物的な死があり、物のように運ばれる死体がある。僕はつい、これはホラー映画だ、と思った、現実の出来事を描いているにも関わらず。それほど恐ろしい。後半、上海から来た女が夫の死を知ってから、物語が立ち上がってくるのだが、荒涼とした砂漠を歩き、墓(というより死体)を捜す光景はどこかシュールでもある。映画は収容されていた人が解放される(しかし次にも人が送り込まれることが暗示されている)シーンの後、唐突に終わる。傑作である。僕は映画を見ながら、ワン・ビン監督の資質をどう表現すればいいのか考えていた。普通、すごい才能、と言うのだろうが、どうもしっくりこない。僕が思ったのは、体質だ、というものだった。生まれついての映画を撮らずにはいられない体質。どこをとっても映画がにじみ出してくる体質。そういう監督はほとんどいない。僕にはそう思えるのだった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:54:02

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