『猿の惑星 創世記』/『フツーの仕事がしたい』
今日は『猿の惑星 創世記』を見た。予告編を見た時は、またビギンズもの(かつての作品の前日譚を描く作品がやたらと多い)、それもあの傑作『猿の惑星』の始まりの話と知って、やめときゃいいのに、と思っていた。で、見てみたらこれが予想以上に面白かった。特に僕が興味を持ったのは、猿が反乱を起こすのが、広い意味でバイオハザードだったことだった。(以下、ネタバレ含む)アルツハイマー病を克服するための治療薬が猿に投与される。(もちろん、現実でも治験で猿に投薬されることはよくあること)そこから、脳が発達した猿が生まれる。簡単に言えば、この猿が反乱をおこす猿のリーダーになる。同時に本作では先の治療薬が人類にとっては破滅への一歩になることが示唆される。(続編があるのかも・・。)こういう設定は荒唐無稽、とはいえない。本作では明確な描写はないが、治療薬は間違いなく、遺伝子操作で生まれたものだろう。また、製薬企業が売り上げ至上主義に走ることも現実にあるわけだ。(ここ日本でも薬害エイズが起きたわけだし。)思えば、『猿の惑星』が公開された1968年以後、1970年代に遺伝子工学は爆発的に発達するわけで、現在に作られる前日譚としてはなかなか重要な要素を組み込んだな、と思う。同時に、すごいのは猿のCG。表情まで生き生きと描かれる。そのことがドラマ性の奥行きまで与えていて、僕は映画を見ながら、野性と知性の関係についてずっと考え続けていた。
夜は、横浜の新・港村で『フツーの仕事がしたい』の上映。久しぶりに見たのだが、主人公の生コン運転手・皆倉さんが仕事をしているのは結構、横浜周辺だったことに気付いた。そういう意味で、目の前にみなとみらい地区が広がる場所で上映出来たのはよかったと思う。
明日から3日間、山形国際ドキュメンタリー映画祭に行くのでブログはお休み。