2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2011/8/31 水曜日

『ぼくたちは見た』/作業続行/会議

ドキュメンタリー映画『ぼくたちは見た―ガザ・サムニ家の子どもたち―』(監督:古居みずえ)を見に行った。もうすぐ公開終了、ということで気になって仕方がなかったのだ。僕は古居監督の前作『ガーダ』はとても好きな作品だ。本作は2008年から2009年にかけてイスラエル軍がパレスチナのガザ地区を攻撃し多くの人が殺され、そうした人の中のサムニ家の子どもたちを中心に描いた作品。映画を見ながら、時々、マスコミなどで「ガザ侵攻」という言葉を聞いたことを思い出し、侵攻などではなく、はっきりと「虐殺」というべきだったことに今更ながら気が付いた。本作に登場する子どもたちは両親や兄弟をことごとく亡くしている。彼らの目をじっくり撮った映像は、なんとも形容しがたい、暗く遠くを見ているような、光を奪われたような眼をしている。こうした目を見続けるのはつらい。そのつらさが現実に起きていることなのだ。ただ、少し残念だったのは、僕の体調が悪かったせいか、どこか映画として少し散漫な印象を持ってしまった。なぜなのかは分からないのだけど・…。

その後、事務所に行って昨日の作業の続き。新作のテロップの細かい修正。時間があったので、もう一度頭から見るも、時間切れで最後まで見れず。

夜、VIDEO ACT!会議。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:56:59

2011/8/30 火曜日

頭が切り替わらない/会議

本来なら今日から新作へのラストスパートへ向けて頭を切り替えなければいけないのだが、朝鮮学校ダイアローグで撮影したビデオを整理しているとなかなか頭が切り替わらない。おまけに作業が残ってしまった・・・・。

夕方、某映画の製作委員会会議。今週末、9月3日(土)完成披露試写会。まだぎりぎりの作業中のようで、実は僕も見ていない。今日の会議では、試写会の役割分担などの話。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:28:50

2011/8/29 月曜日

朝鮮学校ダイアローグ

ここ数日のことを簡単に。

8月26日 12時前に岡山着。バスで岡山朝鮮学校に向かう。展示場所の教室に行って、さっそくプロジェクターの調子をチェック。と言うのも、展示場所を遮光するかどうか、少し迷っていたからだ。投影する白い幕に映像を映してみると、昼間に関わらず、きれいに映像が映る。だから、教室を遮光することはやめて自然光のままで投影することにした。脚立に乗って、教室の対角線上に2枚の白い幕を垂らす。次に問題だったのは音声。一度、大きなスピーカーに通して音を出してみたのだけど、音自体ははっきりきこえるのだけど、さすがに2つの音声が干渉しすぎて余計聞きにくいことが判明。ならば、プロジェクターから直接音を出すことにした。両方の音声が思っていたよりききにくいのは計算外だったが、両方の音声が「聞こえている」状態はそれはそれでいい、と思った。汗だくになりながら設置完了。すでに設置が終わっている部屋を見て回る。かなりレベルが高い展覧会になる予感があった。(この予感は当たっていた。)何を持ってレベルが高い、と考えるかはなかなか難しいけど、こうした美術館ではない場所での展覧会で思うのは、参加作家がいかに場所・空間を読み解き、それをどう表現するか、そしてその表現がいかに見る人を触発するか、だと思う。そういう意味で、朝鮮学校ダイアローグ http://www.artdialogue.jpn.org/schedule.html はとてもいい展覧会になっている、と僕は思う。夜、当新田(とうしんでん)食堂 http://www.sysko.jp/toshinden/ でホルモン焼を食べる。うまかった!

8月27日 展覧会初日。入場者の反応が気になる。宮ヶ迫ナンシー理沙さんが作った『Roots of Many Colors』というドキュメンタリーを見る。ナンシーさんは9歳の時ブラジルから日本に来たそうだ。このドキュメンタリーはそんな彼女の自らのルーツ、日本での暮らしを語りつつ、周りに居る、イラン、ペルー、ラオスなどなどから日本に来た若者たちが率直に自らの体験を語った作品。素朴な作りではあるが、気付かされること多し。午後にチャンゴ演奏。シンポジウム。このシンポは参加作家のシンポだったのだけど、人数が多いので2言喋ったら終わってた。ラストは、ラップミュージシャン・フニさんのラップ・ワークショップ。最後は参加者皆さんがラップを披露。皆形になっているので驚き。僕はビデオを撮っていて、テープの長さがギリギリで冷や汗・・。夜、岡山駅前の「在」という店で打ち上げ。その後、会館でごろ寝。

8月28日 11時からシンポ。朝鮮学校の元校長李先生と近くの第二藤田小学校の元校長佐藤先生の対談。会場には両先生と久しぶりに会うような方々も多数来場。両校がどうやって交流してきたかという話は本当に興味深いものだった。その後、川端路子さんの『ダイアローグ+岡山物語第2部』を見る。まず、ダイアローグという作品はこの展覧会のメイキングと聞いていたのだが、メイキングを撮りながら、川端さんの世界に持っていく、というある種の力技を持った作品だった。僕も登場する。「岡山物語第2部」は1・2・3部とある作品の2部、だそうだ。だから、僕は全体像を知らないので分からない謎も多々残った。チャンゴ演奏は聞かずにご飯を食べてから、3つ目のシンポを聞く。社会学系の学者の方々を中心としたシンポ。なかなかに大切な問題提起がされつつも、消化不良の感があった。諸々の片づけをして、少人数で打ち上げ。

8月29日 10時過ぎの新幹線に乗って帰京。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:50:42

2011/8/25 木曜日

『炭鉱に生きる』/『かすかな光へ』

明日から岡山での朝鮮学校ダイアローグに行かねばならないのだが、今日はどうにも落ち着かず。だから(?)映画を見に行った。まず、見たのは『炭鉱に生きる』(萩原吉弘監督)。2006年に公開されたドキュメンタリー映画だが、見逃していた。今回のアンコール上映は、本作でふんだんに紹介される、山本作兵衛さんの絵画がユネスコの「世界記憶遺産」に今年5月登録されたことによる、アンコール上映だそうだ。この「世界記憶遺産」は日本では初めてだそうだ。僕は以前、目黒美術館の炭鉱展で山本作兵衛さんの作品を見て、とても強い印象を受けたので、この映画を見たかったのだ。今日が最終日。とてもいい映画でした。山本作兵衛さんの絵がたっぷり見えたこともありますが、細部に注目した描き方で炭鉱と町、生活の様子がくっきり浮かび上がってきます。小沢昭一さんの語りもいい。描き方はオーソドックスだけど、こうしたドキュメンタリー映画は絶対必要な映画だ。僕は映画を見ながら、ふと、数日前、作家の佐野眞一さんが報道ステーションの中で原発について「炭鉱は炭坑節などの文化を生んだけど、原発にはなかった」と言っていたことを思い出していた。山本作兵衛さんご自身も炭鉱労働者であり、炭鉱の生活を克明に絵として記録したことも文化の表れだろう。はたして本当に原発に文化はなかったのか・・・もう少し思い出してみたい。山本作兵衛さんの絵は決して「うまい」ものではない。けど、素朴だからこそ伝わってくるものがある、と僕は思う。なお、本作の監督萩原吉弘さんが2009年に亡くなられていることは知らなかった。デビュー作の「あらかわ」、続編の「続あらかわ」を見ている。

続いて、同じポレポレ東中野で『かすかな光へ』http://kasuka-hikari.com/ (監督:森康行)を見た。教育研究者の大田尭さんのドキュメンタリー。映画は冒頭、谷川俊太郎さんの詩と朗読で始まる。そして大田さんの戦中体験、戦後の教育者としての原点が語られる。そして、「子どもたちが自ら学ぶことを助けるのが教育」という教育の理想を追求していく姿が語られる。大田さんが語られていることはとても崇高でうなずけることも多い。だからこそ、背中がピンと伸びる感じがすると同時に、少しお尻のあたりがむずむずする。うまく表現できないが、とても正しいことを聞いた時に覚える、ちょっとしたためらい、みたいなものだろうか。決して声高ではないのだけど。また、林光さんのフルートを中心とした音楽も美しいのだが、それでも少し多いなぁ、と思った。監督は教育に関する映画を何本も撮っている森康行さん。その森監督の映画を多く編集しているのが、学生時代お世話になった、古賀陽一さん。もう随分お会いしていないのだけど。

さて、明日は岡山に行って、朝鮮学校ダイアローグの展示の設置。うまくいくことを願ってます。月曜日までこのブログは休み。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:23:28

2011/8/24 水曜日

作業

昨日撮影した朗読劇の映像をDVDにする作業を事務所で。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:25:56

2011/8/23 火曜日

朗読劇「女の一生~母への手紙」

今日は知人の俳優・河原田ヤスケさん経由で頼まれて朗読劇「女の一生~母への手紙」の撮影に行ってきた。出演は池田昌子さん、石野竜三さん、真船道朗さんら。僕の世代ではかの「銀河鉄道999」のメーテルの声、池田昌子さんを生で見てドキドキ。最初、夜の公演だけの撮影予定だったのだが、少しでも舞台を見ておいた方が撮影しやすいだろう、と思って昼の部にも行ってきた。行って正解だった。朗読劇、と聞いて撮影は楽かな、と思っていたらさにあらず。出演者も最大9人おり、立って読む個所がどこか、台本を読んでいないので追い付かない。加えて、芝居でからむわけではないので、最初、セリフでカメラを振って追いかけていたのだが、無理だと判断。無難に読んでいる人をフィックスで撮るしかない、と方針変更。というわけで、夜の部は昼の部を見ていたので、少しは流れをつかめていたので助かった。何事も撮ってみなければ分からないものです。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:30:03

『Peace』/予告編/インディペンデント映画の為の寄付制度を考える会

公開が始まって随分経つが、見ていなかったドキュメンタリー映画『Peace』(相田和弘監督)が今週末までと知ってやっと見た。相田監督の前作『精神』に続いて本作も舞台は岡山。本編ではほとんど手掛かりはないが、中心に映っているお二人は監督の妻のご両親だそうだ。そしてお二人とも介護の仕事をしており、その姿を映し出す。というのが簡単な映画の説明になるのかもしれないが、僕は映画に入りこめなかった。とにかくこれほど入り込めなかったのは久しぶりかもしれない。理由はなかなか書くのが難しいのだが、書くとすれば映画がどこに向かっているのかが分からなかったからだと思う。もっとも、ここ数日、自分の整音のことで悩んでいたので、いい映像といい音と、技術的にしっかりしているなぁ、とその部分では感心して見ていた。

映画を見た後、2つの映画館に3種類のチラシまき。その後、事務所に行って、9月9日に上映する新作の予告編を微調整。とりあえず、これを上映する。

夜は、インディペンデント映画の為の寄付制度を考える会なる、何やら難しそうな会議に参加。前半はニューヨーク在住(今日は宇野港藝術映画座もあったので日本におられた)の映像作家・タハラレイコさんがアメリカの現状を報告。ネットを媒介にして小口の寄付が活発に集まっている様子がよく分かる。次に、Our-PlanetTVの白石さんがNPO法と寄付税制がこの6月に変わったことを報告。そこで、映画製作を支援する新たなNPOを作ろう、というような話が盛り上がる。僕も2,3発言。今思うのは、要は映画製作を支援したい、盛り上げたい、一緒に盛り上がりたいという人がどれぐらいいるかによって、随分状況は違ってくるのだろうなあ、と思う。まずはそういう気分を作り出していくことが大事なのかもしれない。

未分類 — text by 本田孝義 @ 1:08:31

2011/8/21 日曜日

『ツリー・オブ・ライフ』

ここ数日のバタバタで少し疲れているので休もうかな、と思いつつ、歩いて行ける場所に映画館があるのだから、雨の中傘を差しつつ映画館へ行く。見たのは『ツリー・オブ・ライフ』。家族から始まる物語が、冒頭、宇宙の創生、生命の誕生を美しい映像で描くあたりはほとんど60年代のフラワームーブメントの映画みたい、などと思ってしまう。それはそれで面白くはあるのだが、でも、本作の肝はとてもシンプルに思春期の男の子の話だと思う。その描写がとてもリリカルで僕はその部分がよかった。父親との葛藤、母親への微妙な距離、性の目覚めなどなど、時代と国は違えど、ああ、あったなあ、と思えるシーンがいくつもあった。大きく違うのは、冒頭にも多く出てくる、神への問いかけだろうか。(僕はクリスチャンではないので。)思春期ものと思ってみれば、天地創造の映像は、まあ、なくてもいいようなもんだが、それでは映画の広がりがなくなる、とでも監督は思ったのかもしれない。(むしろ、そっちがやりたかったのだ、とは思うが。)蛇足ながら、現在のシーン(ショーン・ペン演じる大人になった主人公のシーン)は久しぶりに映画で現代建築を感じさせてくれる映像が続出していて興味深い。もちろん、それらの映像は必ずしもカッコいいものではなくて、どこかバベルの塔のように撮られていると思う。こうした映像を見ながら、正負どちらの意味でも、今の日本の現代建築をちゃんと撮った映画は少ないなあ、とあらためて思った次第。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:10:29

2011/8/20 土曜日

会議/『タケオ』

午後から、バイオハザード予防市民センターの幹事会。久しぶりに会う方もいて、いろんな話が盛り上がる。

その後、横浜・新港村へ急行。今日は『タケオ』劇場開会記念プレイベント。タケオくんのミニライブの前に、上映会場の準備。さしがに昨日やったので準備はスムーズ。19:00~ライブ。タケオくんのミニライブを見るのは2回目。津田龍一さんとの共演のせいか、ピアニカの即興演奏もどこか抒情性をおびて聞こえた。最後は会場を巻き込んでのアフリカンドラム。新・港村にタケオのドラムが響き渡る。いい感じ。その後、会場を移して映像の上映。過去のライブ映像集。野村誠さんと共演した映像があったのだが、なんとこの日、同日同会場(新・港村)の別ゾーンでは野村誠さんのライブを開催中。タケオくんとの共演映像でも野村さんの天才ぶりを見れて面白かった。(DVDの特典映像に53分たっぷり入っているらしい。見たい!)いずれも貴重なコンサート記録。熱気にあふれた夜でした。『タケオ~ダウン症ドラマーの物語』http://www.takeo-cinema.jp/ は来週27日よりポレポレ東中野で公開!

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:55:48

原稿書き/『破片のきらめき』

日中、朝鮮学校ダイアローグ出品作に関しての原稿書き。800字なんて多いなあ、と思っていたら、いざ書き始めるとまたたく間に800字超え。結局、削るのに一苦労。送信。

少し小降りになった雨の中、新・港村へ。VIDEO ACT!&ローポジションの上映会第一発目。仮設的な場所で上映会をするため、何かと考慮しなければいけないこともあり、バタバタ。でも、意外と早く準備完了。この天気なので、はたして人が来てくれるか心配だったが、とりあえず形にはなってほっとする。上映した作品は『破片のきらめき』。僕は以前見ている。映画を見ながら、この作品が始まりでよかったな、と思った。そして、観客の方々の反応も上々。特にアートに関して突っ込んだ感想・議論が起きて、横浜トリエンナーレ連携企画で上映出来たのもよかったな、とあらためて思った。その後、監督の高橋さんはじめローポジションのスタッフとともに、立ち飲み屋で軽く打ち上げ。ほぼ終電で帰宅。明日は、タケオミニライブ!

未分類 — text by 本田孝義 @ 1:59:19

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