2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2011/7/21 木曜日

『沈黙の春を生きて』/映画で語るサイエンス

今日は午後から『沈黙の春を生きて』(監督:坂田雅子)というドキュメンタリー映画を試写で見た。監督は、前作『花はどこへ行った』でもベトナムの枯葉剤被害を描き、本作でもさらに枯葉剤の問題を追及していく。僕は映画を見ながら、はじめにタイトルを聞いた時の引っかかりが何だったのかが分かった。そもそも「沈黙の春」と「生きる」ということは逆の世界である。本作の冒頭でもレイチェル・カーソンの言葉が紹介されているように、「沈黙の春」とは農薬によって鳥たちが鳴かなくなった世界のことだ。では、その後を生きる、とはどんな世界なのか。それがこの映画であるわけだ。誤解を恐れずに言えば、僕は映画を見ながら久しぶりに怖くなった。ベトナム戦争に従軍した元米兵を父親に持つ子どもたちにも先天的な障害があらわれている。(ただし、僕はその遺伝のメカニズムがどうなっているのか分からず、少々混乱している。)同じようにベトナムでも直接枯葉剤を浴びた世代ではなく、子どもたちにも様々な障害があらわれている。彼らの姿を見続けるのはさすがに重い。だが、その重さこそが枯葉剤の影響であるわけだ。僕はまた、映画を見ながら現在の福島のことが頭をよぎっていた。アメリカでも枯葉剤の影響が認められたのは戦争終結約20年後のことだという。(ただし、枯葉剤を作ったメーカーはいまだに認めていない。)僕は福島で5年後、10年後、様々な病気が発病しても「放射能との因果関係は認められない」とされるのではないか、とずっと思っている。そんなことは絶対させてはいけない。だからこそ、今から大々的な疫学調査の準備が必要だ。話が脱線したが、この重い映画の中で、終わり近くしみじみとしたシーンが映る。アメリカの女性が父親が枯葉剤を浴びたベトナムの地を訪れると同時に、ベトナムで被害を受けた人たちとの交流をしていく。ラストに響く、ベトナムの一弦琴で奏でられる「アメージング・グレース」が沁みる。

夜、三鷹の星と風のカフェという所に行って「映画で語るサイエンス~映画は科学技術をどう描いてきたのか?」というトークショーを聞きに行った。旧知の粥川準二さんと、(サイエンスライター)、斉藤勝司(サイエンスライター )のお二人がSF映画に描かれたライフサイエンスについて語る。僕はバイオハザード予防市民センターの活動をしつつ、最近はじっくりと最先端のライフサイエンスについて考えることがなかったのでとても面白かった。取り上げていた映画は『ガタカ』『ブレード・ランナー』『キャシャーン』『わたしを離さないで』など。最初の二つは僕も大好きな作品。それにしても、最近、SF映画自体は多いけど、考えさせられ、ぐっとくる映画には随分出会っていない気がする。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:15:59

2011/7/20 水曜日

事務的な仕事を・・・

諸々の事務的な仕事をぽつぽつと。でも、とても大切な仕事であり、これからも間違いなく進めなければいけない細かいことが続く。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:38:30

2011/7/19 火曜日

印刷・発送/Blu-ray

今日はバイオハザード予防市民センターの会報を印刷、発送。たかだか90人分ではあるのだが、公共施設に行って16ページ分の会報を印刷し、事務所に行ってページを組み、封筒に入れてセロテープで封をし、宅急便を出すとそれなりの時間はかかるものである。

その後、編集が終わった新作を自宅で見るために、Blu-rayにする。こちらもえらく時間がかかったのであった・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:20:13

2011/7/18 月曜日

編集

・・・と言っても映像ではない。2カ月に一度のバイオハザード予防市民センターのニュースレターの編集。予定していた原稿が1本届かなかったが、その分、ページ数の帳尻はあったので助かる。

未分類 — text by 本田孝義 @ 20:47:30

リトルプレス「歩きながら考える」

今日は夜、リトルプレス「歩きながら考える」主催中沢新一×坂口恭平トークイベントを聞きに行く。坂口さんが進める”新政府”構想に関して、マシンガントークが炸裂する。その中で後半、中沢さんが語られた「覚悟」にドキリとした。熱い時間だった・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:34:57

2011/7/16 土曜日

編集

今日は午前中から先日の撮影分を編集。これがラストシーン。全部で1時間50分になる。はたしてこれが長いのかどうなのか、もはや自分では判断がつかない状態だが、およそ目標にしていた長さにはなった。よくよく考えたら、ほとんど一人の人物が出ずっぱり、というのは「科学者として」以来ではあった。細部はもう少し詰めるとして、整音前にやらなければいけないことにはとりかかれそうだ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:26:18

2011/7/15 金曜日

クランクアップ/美術展

ここ数日のことを・・。

7月13日 朝、7時半の飛行機に乗って、いざ、熊本へ。昼前にゼロセンターに着く。雷雨にたたられたりしたが、無事、撮影終了。クランクアップ!3・11後、僕の方は色々迷走していたが、とにもかくにも、僕の中では着地した。現実はさらにめまぐるしく進展しているが、僕は区切りをつけた。なお、これまであまり詳しく書いてこなかったのは、ドキュメンタリー映画の場合、映画が完成するまで、上映するまで何があるか分からないからです。完成したらもっと詳しく書けると思う。

7月15日 熊本を後にして、今日は岡山まで。初めて九州新幹線に乗る。8月の終わりに開催される、”朝鮮学校ダイアローグ”という展覧会・美術展に参加することを、昨日決めた。少し前から参加の打診があったのだけど、映画の撮影のこともあり、保留にしていた。けど、僕の中では昨日撮影を終われたと思えたので、美術展への参加を決めた次第。もちろん、映画の方はこれから最後の仕上げが待っているのだけど。美術展に参加するのは、実は久しぶり。「船、山にのぼる」の製作・上映が、映画製作と美術界隈での活動が重なったこともあって、しばらく美術畑での活動はしていなかった。もっとも、単に誘ってくれる人がいなかっただけだけど。今回、岡山の元朝鮮学校での美術展。この日は会場下見。昨年も校内に入ったが、自分が展示をすると思うとまた違った視点で教室が見えてくる。有意義な展示にしたい、と思う。夜は実行員会の方々とのミーティング。

7月15日 朝、妹に迎えに来てもらい、父の墓参り。そうそう岡山には来れないから、墓参り出来るときにしておかないと。昼前に新幹線に乗り東京へ。そのまま事務所に行って、撮影分をパソコンに取り込む。編集したい気持ちを抑えて、今日は取り込みまで。その後帰宅するも、事務的な作業が山積み。にわかに急に忙しくなったが、何か不思議なもので、磁気に引き寄せられるというか、マグマが噴出するというか、いろんなことが重なるものだ。それはそれでいいのだ、と思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 19:40:00

2011/7/12 火曜日

会議

夜、VIDEO ACT!会議。8月6日から始まる、”新・港村”に関して諸々、検討事項多し。

明日は熊本。天気が心配・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:26:56

2011/7/11 月曜日

準備など/会議

あさって熊本に行くことになっているので、ちょっとした準備。その後、久しぶりに事務所へ。夕方、某映画の製作委員会会議。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:26:28

2011/7/10 日曜日

最近読んだ本

最近読んだ本のこと。「ジョーカー・ゲーム」(柳広司著)。前から気になっていた小説が文庫になったので読む。日本における、戦時中のスパイ養成機関の話。僕はてっきり、長編かと思っていたら、連作短編集だった。あくまでも合理的なスパイという存在を描き出していて面白い。全く趣が変わって、「虐待の家 鬼母と呼ばれた女たち」(佐藤万作子著)。ノンフィクション。2003年、餓死寸前で救出された中学3年生。この事件の背景を丁寧に追いかけたルポ。誰が悪い、どこが悪い、と単純に色分け出来ない、複雑な要素が描かれている。またまた趣が変わって、おなじみ「トンデモ本の世界Ⅹ」と「トンデモ本の大世界」の2冊。後者は20周年記念本。このシリーズはずっと好きで読んでいる。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:22:02

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