『デンデラ』
今日は映画の日。名女優が多数出演しポスターがかっこよかったので見てみたくなり『デンデラ』を見た。最近ちょっと記憶にないぐらい、トンデモ映画だった。(以下、ネタバレあり)映画は浅岡ルリ子演じる主人公が山に捨てられるところから始まるのだが、映像がまずよくないので、冒頭から不安がいっぱい。デンデラと呼ばれる、捨てられた老女だけの村(50名)の様子を映し出すところは、ちょっと寓話的な雰囲気があって、いいかなと思ったし、まさに怪演と呼ぶべき草笛光子が登場したあたりは、さすがに女優の存在感に期待は膨らんだ。(もっとも、その時点でも不安もあった。演じている女優陣はそれなりに年齢が高い人が多いわけだけど、普通に演じればこぎれいになってしまうことを懸念したのだろう、妙な特殊メークがほどこされていて、老けメークの過剰がよくない。クレジットを見てメインの4人以外にも多くの女優が出ていたことを知ってびっくり。)が、捨てられた村への復讐のため訓練するあたりから話が転び始める。復讐は分からなくはないが、まぁ、あまり気分がいいものでもない。(あっと驚く方法で懲らしめる、なんていう展開ならまだいいのだけど、目的は皆殺しですから。)そして、熊がデンデラを襲い熊と老婆の死闘が始まるわけだが、本物の熊ではないことを何とかごまかすためか、暗い熊のアップが多く、一向に緊迫感がない。その割には血しぶきだけは派手に飛びまくるので、一昔前の動物パニックものみたい。加えて、次から次に婆さんが死んでいく姿を見るのはあまり気分がいいものではない。そして、ラスト。僕は久しぶりに映画館で「え、これで終わり?」と失笑する声を聞いた。まぁ、あの終わりはないよな。