2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2011/5/2 月曜日

エコ・キュート/構成

突然ではあるのだが、いやもっと前からだった可能性が高いのだが、自宅の電気温水器が大変なことになってしまった。自戒を込めて、恥を忍んで書いておこうと思う。そもそも、ここに引っ越してきたのは約6年前。風呂や水道の温水が電気であることは知っていた。見た瞬間、ああ、エネルギーの大いなる無駄遣い、と思ったものの、マンションの9階、リフォーム物件などなど他にも諸条件からここに決めたのだった。個人的なことを離れて脱線して書くと、今、東京では福島第一原発事故の影響で、電力不足が心配されているけど、本当は2001年から全国的には電力需要は下がっているのだ。そのことに危機感を持った電力会社は(本当は環境負荷などを考えれば喜ぶべきことなのに)遮二無二電力需要を「作りだす」ことに力を注いだ。その典型例が、かの「オール電化」というやつだ。そもそも、エネルギー効率を考えれば、熱(発電)→電気→熱(ヒーター等)というのが一番悪い。だから、IHヒーターや電気温水器、あるいは電気ストーブなどが一番エネルギーの無駄、ということになる。近年、地球温暖化防止などという無茶苦茶な論理で原発の増設を進めようとしていた背景には、上記のようなマッチポンプの構図があったわけだ。だから、自分ではオール電化とは思っていなかったけど、電気温水器(いわゆるエコ・キュート、というやつ)を使っている人間はかなりの部分で原発増設に手を貸していた、ことになる。本当に節電を考えるなら、電気を熱に変えることはやめなければいけない。そんなことがありながら、昨日、自宅の電気温水器が傾いていることが判明。3月11日には、マンションの別の部屋で温水器からの漏出で大騒動になったから、僕はチェックしていたはずなのだ。だから、多分、その後の余震のどこかの段階で、一気に傾いたと思われる。さすがにやばいので、今日、急遽業者に点検してもらったのだが、結論から言えば、破損個所があるので新しいものに取り換えなければいけなくなった。約34万円也。だけど、メーカーも今回の震災の影響で部品がなく、新品がいつ入れられるか、時間がかかる可能性があるらしい。怖いのは漏出が起きる可能性があること。場合によっては、使うことを直ちにやめて、明日から銭湯、かもしれない。まだ決断は出来てないのだけど。いずれにしても、マンションの構造上、電気温水器を使い続けなければ、風呂には入れない。恥を忍んで書く、と書いたのはこのことだ。奇しくも、今、作りつつある映画では、家とインフラの話が出てくる。奇しくも、現在のマンションの脆弱性を自ら感じることになってしまった。

中途半端な時間になってしまったが、事務所に行って構成を考える。いい話が多々あれど、全体の中にはどうも納まりきれないことがいっぱいあることが徐々に分かってきた。編集前に、もう少し考えよう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:36:26