ほんの少しのことを・・・
午前中、またもや編集したものを見る。削るポイントが分かったのだが、その後、しばし調べることがあって中断。さらに出かける用事が。用事を済ませ、夕方に事務所へ。削るポイントを思い出し、削って行く。こういう部分にすぐ気付けばいいものを、なぜか何回か見ているうちに気付くものだ。(単純に僕が鈍いせいもありますが・・・。)ほんの少しずつ・・・。
2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。
午前中、またもや編集したものを見る。削るポイントが分かったのだが、その後、しばし調べることがあって中断。さらに出かける用事が。用事を済ませ、夕方に事務所へ。削るポイントを思い出し、削って行く。こういう部分にすぐ気付けばいいものを、なぜか何回か見ているうちに気付くものだ。(単純に僕が鈍いせいもありますが・・・。)ほんの少しずつ・・・。
午前中、先週末に編集したバージョンを自宅の大きなテレビで確認。まだ削る個所は分かっている、つもり。
その後、あれこれやることが山積。まず、某映画の上映会場を探す。なかなか条件に合う会場がない。一応、候補は挙げておいたが・・・。続いて、平和のためのコンサートの司会者用原稿を書く。本番はかなりタイトなスケジュール。その後、VIDEO ACT!で参加する、”新・港村”の企画をいくつか考えると同時に打診。少し先走り過ぎたか・・・。でも今から準備したいのが僕の心境。
夜、「新政府ラジオ」を見る。楽しかった。いつか僕も熊本に行く、つもり。
雨が降っていることもあり、今日も近くのシネコンに出かけようかと思ったら、見たい映画はほぼ満席状態。行く気が失せて、やめる。それにしても、こんな天気で熱心な映画ファンはやっぱりいるんですね。(雨だから、映画館、かもしれないけど。)だから、自宅で一日読書。
雨が降って、出かけるのがおっくうになったのだが、そんな日でも歩いて行ける所にシネコンがあるから、出かける気にもなった。まぁ、見るべき映画は多々あると思うのだけど、最近、どうもSF映画を見たい欲求が強くなっていて、『アジャストメント』が気になっていた。特に気になっていたのは、僕が好きな作家、フィリップ・K・ディックが原作だと言うこと。ディック原作の映画には当たりはずれも多く、最近はどうもはずれ傾向が強い、と思う。ディックファンの方にはあらためて言うことではないが、ディック原作の映画が多く作られるようになったのは、『ブレード・ランナー』以後。『ブレード・ランナー』の製作中に死んでしまったから、生前には映画は作られなかった。前置きが長くなったが、『アジャストメント』はどうだったかと言うと、予告編を見た時に感じた、ダメダメ感通り、まぁ、あまり面白くはなかったです。全然ダメ、とは言わないけど。映画は謎の集団「調整局」によって、主人公の人生が変えられてしまう、という、いかにもB級SF映画の匂いが漂うもの。そもそもディックの小説は、多くの作品ではSFにありがちなプロット・ガジェットが出てきて、そうした意味での独創性は薄い。けれども、そうしたある種安っぽい設定の中で、人間の意識をぐいぐい描きこむことによって、実存的な小説へと変容していくのだ。だから、ディックの小説が近年映画の原作として人気なのは、プロットだけを借りて、まったく違う方向へ(往々にしてアクション方向へ)変形しやすい、と思われているからだろう。そこが落とし穴。実はプロットだけなら元々安っぽいのだから。そういう意味で、『アジャストメント』を見ながら、実は、とてもディックらしいなあ、と思いつつ(原作は読んでるはずだけど忘れた)、けど面白くはないなあ、と思っていた。とにかくあらゆることが凡庸。ぱっとしない。あえて強引に言えば、ラスト近くの「どこでもドア」シーン(日本ではこう言うほうが通じるでしょう)は、空間を飛び越えてつなぐという点で、映画の編集の暗喩、と言えなくはないと思ったのだが、そんなに立派なものでもないなと一人で苦笑。それからマット・デイモンのファンでもなんでもないけど、よくよく考えてみたら結構主演作を見ていることに気が付いた。
今日は午後、久しぶりに横浜のBankARTに行ってきた。今夏、横浜トリエンナーレとの連動企画で、BankARTが主催する”新・港村~小さな未来都市(BankART LifeⅢ)”という催しがが行われるのだけど、これにVIDEO ACT!として参加することを決めた。今日は会場となる新港ピアの会場見学があるということだったので、見に行ってきた。僕自身は、過去何度かイベント時に行ったことがあるので、おおよその感じは知っているつもりだったのだけど、さすがに何もない状態だとちょっと違った。特に気になっていたのは、上映会等を行う可能性もあるので、外光のことだったのだけど、多分、問題なさそうだった。あとは、多数の建築家の方々が会場内にいくつもの「家」を作るらしいので、そこにどういう形で入れるか検討していくことになりそうだ。その後、映像グループローポジションの飯田さんにも来てもらって、上映等、一緒にやりたいとお誘い。同グループの事務所は比較的近くにあるので、何か一緒にやりたいと思ったのだ。BankARTの池田さんにも紹介して、とりあえず、企画を考えていくことになりそうだ。
横浜を出て、事務所へ。昨日編集したものをどうしても一度見ておきたかったので、通して見る。製作者の勝手な思いですが、僕は胸が熱くなった。観客のことまでなかなか想像できないけれど、せめて製作者ぐらいはそんな気持ちでいてもいい、と思うことにする。
今日も日中、編集にあれこれ手を入れていた。昨日編集したものを、家の大きなテレビで見てから、事務所にて作業に取り掛かる。あれこれ削って行くと、結局、当初のものより30分縮まった。多分、まだ縮まるだろう。今日は時間切れで、通して見れなかったので、持ち越し。
夜は、VIDEO ACT!上映会。上映した作品は『さようならUR』(監督:早川由美子)。完成披露試写会。URは僕のようなおっさん世代では、旧住宅公団の方が馴染みがあるかもしれない。本作の舞台は日野市の高幡台団地73号棟。耐震不足を表向きの理由に取り壊しが決まる。どうも背景にはURの民営化路線がありそうだ、という問題を追及した作品。僕自身、『ニュータウン物語』を撮る前後から、それなりに日本の住宅問題に関心を持って来た。だからとても興味深い映画だった。同時に、早川さんがこの映画を撮るきっかけも、若い世代の住宅難に気付いたからだそうで、根底の部分では今僕が作っている映画ととながっていると思う。やっぱり、日本の住宅政策は貧困だと思う。
なんとか気持ちを切り替えて、再度、編集に向かう。この間、気づいた要らないと思ったシーン、カットをばしばし削っていく。そうすると、スムーズにはなったと思うのだが、一方でどこかつるっとしてしまった気もする。見極めは難しい。が、今は意識的に削っていこう。本当は構成をもう一度練らなければいけないかも、とも思っているのだが、まずは今の作業を続けてみてから考えよう・・・。
今日は少し気合いを入れ直して、再編集に向かおうと思ったのだけど、どうも気分が乗らない。それは多分、ラストシーンを撮れていないことが引っかかっているからだろう。それでも、作業をしようとしたのだが、やり始めると迷いが生じる。明日はもう一度トライしよう。
夜、某映画の製作委員会会議。かなりいろんなことが具体的になってきた。
今日はSNACに行って、”Chim↑Pom展「 REAL TIMES 」 ”を見てきた。3・11の震災・原発事故に向き合った個展。全体的な大雑把な感想をまず書くと、chim↑pomと言えば、様々な事象を「脱臼」させる行為が面白い集団だと思うのだけど、本展では扱っている事象がへヴィーなので脱臼度が低くなっている変わりに、どこか「切実さ」を感じさせるものになっているように思う。もっとも、すでに「事件」として話題になっている、渋谷の岡本太郎作「明日への神話」への「いたずら」作品はchim↑pomらしいのかもしれない。この作品は「落書き事件」なんて情報が流れていたが、映像を見ると全然違った。元々の壁画の右下が当初の設置環境のせいか少しいびつに空いたスペースがあり、そこに福島第一原発の絵(パネル)を付け足したもの。この行為の是非は僕には判断付きかねるのだが、そもそも「明日への神話」は広島・長崎の原爆、第5福竜丸の「核」をテーマにした作品であり、そこに巧妙に岡本太郎のタッチを真似した原発の絵を付け加えたくなる衝動は理解できた。他に面白かったのはエロをエネルギーに変える、エロキテル、か。今一度、展示の光景を思い出すと、何かもやもやしたものも感じるのだが、逆にいえば、それだけ3・11という現実が大きくて重いのかもしれない。
今日は久しぶりに近所のシネコンに行った。某映画を見ようと思ったのだが、とても混んでいて、一番前しか座席がなく断念。時間帯が近しい所で見てもいいかな、と思ったのが『GANTZ PERFECT ANSWER』だった。僕は1作目を見ていなくて、最近テレビで放映された特別編しか見ていない。その特別編を見て面白くないなあ、と思ったので特段興味はなかったのだけど(原作も読んでないし・・)何やらソードアクションに挑戦している、とかで見てみたい、と思うようになっていた。さて、見ての感想は、あんまり面白くなかった。確かにソードアクションはがんばってはいるのだけど、痛快、というほどでもなかった。もっとも、主演の松山ケンイチは映画の出来はともかく『カムイ外伝』でもいいアクションの切れを見せていたので、演技派でもあると同時に体も動く、身体性を持った役者ではあるのだろう。お話としては「ゲーム性」がどうにもなじめず、残念に思うことしきり。そうそう、音楽の川井憲次さんの川井節は堪能しました。