「ピカドンから66年」
今日は午後から肥田舜太郎先生の「ピカドンから66年」という講演会を聞いてきた。僕が肥田先生のことを知ったのは、鎌仲ひとみ監督の『ヒバクシャ』でだった。肥田先生は広島で原爆を体験。今日のお話でもその時の様子を克明に語られ、あらためて原爆の恐ろしさが伝わってきた。その後、肥田先生は医師として被曝者の診療に長年携わってこられた。今日の話ではっとしたのは、いわゆる”ぶらぶら病”と呼ばれる病気のことだった。僕も確かにどこかで聞いたことがあった。被曝した人の中で、何かの疾患というわけでもなく、体がだるく疲れやすい人が多くいる。こうした人が医者にかかっても「病気」とは認定されない。こういう症状が被曝後長い時間が経っても現れてくることが放射能の恐ろしさだ、と語られていた。そんな人を数多く診てきた肥田さんからすれば、現在の福島原発で起きていることを「ただちに健康に被害がない」などと言っている学者は笑止千万、ということになるのだろう。こういう時だからこそ、お話が聞けてとても有意義だった。