綱渡り
ドキュメンタリー映画の撮影は綱渡りに似たところがある。だから僕は今撮影していることについてあまり具体的に書いてこなかった。いつ何どき、綱から落っこちて撮影できなくなることだって十分ありうるからだ。13日の時点で僕はラストスパート、と書いた。もう少し、もう少し撮影出来ればゴールが見えてくる、と思っていたからだ。けれども、地震と原発事故で事態は変転した。状況に大きな、予想していなかった変化が起きてしまった。僕自身の気持ちは、どのような形になっても撮影を続けるつもりなのだが、はたして自分が思っているように行くのかはまだ分からない。また、当初思っていた構想とはかなり変わってくるだろう。それでも続けることに意味はある、と思っている。