2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/9/19 日曜日

第51回 VIDEO ACT! 上映会~野生動物との共生~

今週末に上映が近づきましたので、再告知です。

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■ 第51回 VIDEO ACT! 上映会 ■
 ~野生動物との共生~
http://www.videoact.jp
http://videoact.seesaa.net/
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■2010年9月24日(金) 19時より

■上映作品
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◆『平成 熊あらし ~異常出没を追う~』(2009年/61分)

日本列島各地でクマが暴れている。反乱と言ってもいい。
豊かな森のシンボルだったクマが、今なぜ人里に出没するようになったのか―
ツキノワグマの異常出没は1970年頃から始まった。
捕獲数は年々増えつづけ、2006年度の捕獲数は5,185頭。捕殺数は4千頭を超えた。
いずれも過去最多を記録している。
日本に生息するクマの数は、ヒグマが数千頭、ツキノワグマは数万頭と言われる。
このまま、人とクマの軋轢が続けば、やがて絶滅する地域が出てくるのではと専門家は懸念する。
なぜ、クマは人里に現れるようになったのか・・・
どんなクマ対策が行われているのか・・・
そもそも、クマってどんな生き物なのか・・・
そして、人とクマとが共に暮らせる道は・・・

本作品では、日本列島に棲むツキノワグマを
狩猟文化、生態、保護活動など多面的に描くことで
「クマ問題」の解決の糸口を探った。

監督:岩崎雅典
撮影:明石太郎 田中 希 加藤 孝
語り:柳生 博
録音:吉田茂一

タイトルイラスト:藤原久子
撮影助手:白尾勝也
演出助手:五十嵐 拓
VTR編集:データ・アート
キネコ:ヨコシネ・D・I・A
製作:群像舎

取材協力:
ピッキオ
日本クマネットワーク
マタギサミット実行委員会
NPO法人信州ツキノワグマ研究会
NPO法人日本ツキノワグマ研究所
松橋時幸
松崎利彦
工藤光治(白神マタギ舎)

製作協力:
協映
アズマックス
ザ・ルーフ
プログレス・インターナショナル
日本野生動物環境学術振興会(Jeco)
フジテレビジョン

推薦:
日本クマネットワーク/日本ペンクラブ環境委員会

支援:
文化庁

受賞歴:
第7回文化庁・文化記録映画優秀賞
社団法人映像文化製作者連盟アワード2009 グランプリ
2009年キネマ旬報ベストテン
第51回科学技術映像祭・文部科学大臣賞

群像舎ウェブサイト
http://www.gunzosha.co.jp/

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18時30分 開場
19時00分 開始
上映後、岩崎雅典監督を交えてのトーク&ディスカッション有り。
終了予定時刻 20時50分

上映会詳細ブログ
http://videoact.seesaa.net/article/159827498.html

■上映会場
東京ボランティア・市民活動センター(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分

■参加費:500円(介助者は無料)

■問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
 (050-3744-9745 [ローポジション気付] )
 jyouei@videoact.jp

★上映作品・スタッフ募集中!
http://www.videoact.jp

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:02:00

『食卓の肖像』

今日は午後から金子サトシ監督『食卓の肖像』というドキュメンタリー映画を見た。本作は1968年に発生した”カネミ油症事件”を描いた作品。カネミ倉庫株式会社が製造した食用油に含まれていたPCB(実質的にはダイオキシン)を摂取したことによって、皮膚や内臓、神経などに障害が出た。14000人もの人びとが被害を訴えたにも関わらず、2000人弱の人しか患者として認定されなかった。監督の金子さんは、被害者の声にひたすら耳を傾け、彼らがどのような被害を受け、どう生きてきたかを丹念に描き出している。事件がおきた当時を知らない(まさに僕が生まれた年だ)僕のような人間は、事件のあらましを「知識」として知ってはいても、現在もその後遺症が続き、救済すらまともにされていないことをつい忘れてしまうし、「実感」を持てなかったりする。そういう人たちにこそ、この映画は大きな手掛かりを与えてくれると思う。何年にもわたる取材が生み出したものでもある。ただ、僕が少ししんどかったのは、被害者の証言と黒味に白字の字幕による説明が何度も交差し、追いかけるのが少々疲れたことと、映画のリズムがかなりそがれている印象を受けた。映画のリズム、とうっかり書いてしまったが、どう感じるかは人それぞれであり、合う人・合わない人がいるだけである。(場合によっては、見た時の体調でも違う。)もう一つ、こういう題材で難しいのはどこまで説明するか、という部分だろう。特に知らない人に向けては出来るだけ丁寧に説明したいし、丁寧に説明すればするだけ今度は「映画」としての何かが逃げて行ってしまう。僕が構成としていいなと思ったのは、裁判の経過や原因が何か知りたいと思った頃に、ちょうど字幕で説明してくれたことだった。最初に全て知らせるよりはよかった、と思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:05:07

2010/9/18 土曜日

「朝倉摂展 アヴァンギャルド少女」

今日は午後から久しぶりにBankARTに行って「朝倉摂展 アヴァンギャルド少女」を見てきた。演劇に詳しくない僕でも朝倉摂さんのお名前は知っていて、舞台美術の大御所、というぐらいの認識しかない。舞台美術の展覧会ってどういう感じなのだろう、と思いながら会場に向かった。3Fには1/2の模型が。さすがに本物の舞台ではないわけだけど、なんとなく立体的に舞台を感じる。次の部屋の写真がとてもよかった。舞台写真ではあるのだけど、巨大な布に印刷されていて、風に揺らめいているさまから舞台に思いをはせることが出来た。さらにその奥には、演劇の公演が出来る新しい空間が広がっている。(だから、本当に面白いのはいろんな公演を見に行くことかもしれない。)2Fでは今までに朝倉さんが手掛けられた舞台美術のドローイングが膨大に展示してある。イメージ画のようなものから徐々に空間が立ち上がってくる様子を見ることが出来る。キャプションにも書かれていたけど、こうした舞台は基本的に生モノで、ある期間を過ぎると消えていくものだけど、ここに展示してある資料は今となると大変貴重なもので、きちんと公的な機関が収蔵し、研究されるべきものであることを痛切に感じた。海外の高い絵を買うのもいいけど、自分たちの足元の文化も大切にしないと。1Fでは、朝倉さんが描かれた絵本の挿絵が数多く展示されている。僕が子供のころ見た、「龍の子太郎」は朝倉さんの絵だったのかもしれない。色々な意味でとても画期的な展覧会だと思った。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:03:27

2010/9/16 木曜日

原稿書き/『街のひかり 深谷シネマ物語』

日中、とある原稿を書いていたのだが長大なものになってしまい、えらく時間がかかってしまった・・・。

夜、『街のひかり 深谷シネマ物語』というドキュメンタリー映画の完成披露試写会へ行った。埼玉県深谷市に2002年小さな映画館「深谷シネマ」がオープンした。深谷市に映画館がなくなってから長い年月が経っていた。このドキュメンタリーはその深谷シネマが区画整理の影響もあって、2010年4月に移転・再オープンする過程を描いたもの。監督は飯塚俊男さんなのだが、本作は映画美学校のドキュメンタリー・コース高等科の実習として作られた作品でもあるのだ。言わばプロの映画監督と受講生のコラボレーション、ということだろうか。僕は作品を見ながら、2つの点でうらやましいなあ、と思っていた。一つは、こうして受講生の人たちが本格的な作品制作の実習が出来る点だ。僕はドキュメンタリーに興味を持ち始めたのは、大学を卒業する間際のことで、そこからきちんとドキュメンタリーを学ぶことは出来なかった。当時、映画美学校のような学校があれば多分、受講していたことだろう。(映画美学校は基本的に夜間に授業がある。だから受講生には働いている人も多い。)もうひとつ、本作はコミュニティーにおける映画館の意義を描いているわけで、その活動自体がいいなあ、と思ったのだ。僕は全国のミニシアターのいくつかに伺ったことがあるし、映画館とはいかなくても、映画館がなくなった街でなんとか映画の明かりを絶やさないよう活動している人たちも知っている。この映画をそういう人たちにぜひ見てもらいたいなあ、と思った。不覚にも、僕は深谷シネマの存在を知ってはいたのだが、今まで行ったことがなかった。移転・再オープンした映画館は古い酒造を改築した建物で、その佇まいが何ともいえずいい。最近、古い建物のリノベーションが盛んだけど、映画館へのリノベーション事例としても、画期的なはずだ。また、このドキュメンタリー映画の中では、映画館が出来る前に映画版『ゲゲゲの女房』のロケが行われた様子も出てくる。『街のひかり』は、飯塚監督らしく街の歴史から始まり、実に丁寧な取材がされている。様々な立場の人たちがどういう思いで「深谷シネマ」を支えてきたか、見つめてきたが浮かび上がってくる。あえて欲を言えば、個人的にはもう少しワクワクするような展開も見たかった気もするが、それはないものねだり、かもしれない。なお、本作は10月10日から開催される「花の街ふかや映画祭」において10月17日にクロージング作品として上映されるそうだ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:40:40

『キャタピラー』

ずっと気になりつつも、見るには何か「覚悟」のようなものが必要な雰囲気を感じて、ついつい見るのを延ばしてきたが、今日、やっと『キャタピラー』(若松孝二監督)を見てきた。文字通り、鬼気迫る作品。特に主演の寺島しのぶと大西信満の二人の演技はすざまじい。だが、どうしたわけか僕の中に妙にさめた部分があることに気付いて、自分でもその理由がよく分からず、少々途方に暮れています。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:34:46

2010/9/14 火曜日

ワゴンセール

昨日、渋谷に行った時に、ふとTSUTAYAのワゴンセールをのぞいてみた。まぁ、DVDを1000円で売っている、よくあるやつだけど、何気なく見ていたら目に飛び込んできた作品があった。『レッド・アフガン』だ。昔、映画祭で1度上映されただけで、結局、日本未公開。僕は『ファンダンゴ』という青春映画が好きなのだけど、その監督がケビン・レイノルズ。(デビュー作。)『ファンダンゴ』は実質、ケビン・コスナーのデビュー作でケビン・レイノルズは一時、ケビン・コスナーと、よく言えば盟友、悪く言えば使われ監督として『ロビンフッド』凡作『ウォーターワールド』などを撮っている。そのケビン・レイノルズの監督2作目が『レッド・アフガン』(原題『The Beast』)。戦車好きには「名作」とされているらしい。昔、ビデオでは見た。その後、なぜだが戦争映画のセットでDVDは出たのだけど、単発では出ていなかった。それが、どうもこの7月に単発で出ていたらしい。知らなかった。それが昨日のワゴンで見つけてしまって、つい買ってしまった・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:47:26

2010/9/13 月曜日

『ベンダ・ビリリ~もう一つのキンシャサの奇跡』

ふと突発的に映画が見たくなって、『ベンダ・ビリリ~もう一つのキンシャサの奇跡』という、ドキュメンタリー映画を見に行った。コンゴのストリートミュージシャンのドキュメンタリー、と書くと簡単なんだけど、ストリートと言ってもメンバーは路上生活者であり、身体障害者でもある。彼らが路上で演奏し歌う歌のグルーブが素晴らしい。冒頭の歌なんて「トンカラ~段ボール」というタイトルで、「俺達にはトンカラがある」なんて歌詞はそう簡単には出てこないだろう。映画の製作者達はそんな彼らに惚れ込んで、映画を撮るだけではなく、なんとかヨーロッパでCDデビューさせようと悪戦苦闘。途中、2年ほど間が飛んだりする。スタジオでの録音がどうもうまくいかず、いつも練習している動物園での録音の方がメンバーがのびのびしていて微笑ましい。サトンゲという、ブリキ缶に一本だけの弦を張った楽器を操るロジェくんは、メンバーに加わったばかりの頃は恐る恐る音を出していたのに、終わりの方ではすっかり溶け込んでなくてはならない存在になっている。映画は「僕がバンドを継いでいくんだ」という彼の力強いコメントで締めくくられる。路上生活者でかつ身体障害者、となればつい感動ものになりそうなものの、カメラは意外とフラットでことさら境遇を強調することもなく、きちんとミュージシャンとして撮影しているところがいい。映画の終盤は、CDデビューした彼らのヨーロッパツアー。僕は映画『ブエナビスタ・ソシアル・クラブ』のアメリカツアーのシーンがあまり好きではないのだけど、この映画のヨーロッパツアーにはあまり嫌な感じは受けなかった。蛇足だけど、ベンダ・ビリリの人たちが乗っている、手漕ぎ三輪自転車は自作だそうだが、僕は日本で高齢者・身障者用オーダーメイド自転車を作っている、堀田健一さんが作られている自転車のことを思い出していた。なお、ベンダ・ビリリは9~10月に日本ツアーを行うそうだ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:50:30

2010/9/12 日曜日

「勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉 」

別に昨日読んだ本ではないのだけど、押井守著勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉 」を読んだ。確か前作は連載をまとめたものだったはずだが、本作は語り下ろし。押井さん流の「映画監督の勝ち・負け」を毒舌たっぷり喋り倒し。多分、まともな映画研究者なら腹が立つだろうなあ。けど、アニメの監督であり、何だかんだと言われながらも実写作品も作り続けている独特のポジションに居る筆者にしか語れない、実製作者ならではの監督分析は言いえて妙、というところも多々。もっとも、ドキュメンタリー映画に存在価値がない、という発言には少々複雑な気分。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:17:00

2010/9/11 土曜日

今日は出かけず

今日は出かけることもなく(買い物に行ったけど)、一日中、自宅で読書。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:15:00

2010/9/10 金曜日

「jandek on corwood」

僕はテレビでドキュメンタリーをほとんど見ないのだけど、時々、「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」(MXTV)は見ていたりする。(正確には録画している、のだけど。)未公開映画、と番組名にあるけれど、放送されるのはアメリカのドキュメンタリー。NHKで放送しそうなものではなく、ちょっとトンガッタ(あるいはばかばかしい?)題材を扱ったものも多い。最近、7月に放送された「「jandek on corwood」を見た。”ジャンデック”というのは人の名前で、ミュージシャン。なのだが、この人の音楽がものすごく変。最初の頃はギターの弾き語りなのだけど、ギターのチューニングは合ってないわ、歌と言うよりは何かの呪いのような声音、歌詞はでたらめ。加えて、自主製作盤を入手するには私書箱にコンタクトをとるしかなく、本人の正体も不明。とにかく怪しさ満点なのだ。このドキュメンタリーでは音楽関係者の証言でジャンデックの正体と音楽の変遷に迫って行く。驚いたことに、このドキュメンタリーが評判になって、ついに本人がライブに姿を見せるようになったとか。you tubeにはいくつもライブ映像がアップされている。ちなみに、この番組で放送した作品は近々ネットで有料で見れるようになるそうだ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:08:57

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