「裁判長!死刑に決めてもいいすか」
北尾トロ著「裁判長!死刑に決めてもいいすか」の文庫本を読んだ。北尾さんの裁判傍聴記は何冊か読んだけど、本書は裁判員制度が始まることを踏まえて「自分が裁判員だったらどういう判断をするか」という視点で描かれた傍聴記。面白いのは傍聴し、法廷での証言を聞きながら迷い、揺れ動く気持ちをそのまま素直に記している点。僕自身は刑事事件の傍聴経験はないのだけど、裁判員になる可能性は誰にでもあるわけだから、現行法上、「死刑」判決をしなければならなくなるとすれば、やはりそれは重い、と思う。