2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/8/29 日曜日

「カラフル」

今日はアニメ映画「カラフル」を見た。僕は原作を読んでないし、映画の予告編を見た限りではあまり興味をそそられる話ではなかった。けど、監督が原恵一さんなので、何はなくとも見たいと思った次第。いい映画でした。けど、好きかどうかとなると微妙、かもしれない。死んだ魂が中学3年の主人公に再び宿る、というファンタジーベースでありながら、家庭や学校の描写が意外とシリアス。僕は見ながら、中学生の時に見たかったなあ、と思ったりしていた。それから見ながら思っていたのは、アニメーションと言うのはどこか薄皮一枚、向こうの世界に思えることがあるのだけど、この薄皮一枚、という感覚が本作の場合とても作品世界とマッチしていて不思議な感覚があった。原監督の風景描写が抜群で、表現としてはかなりリアリティー方向なのだけど、主人公の不安定な心理と交差して独特の感触を生んでいる。原恵一、という監督はとても誠実な監督だと思う。原作はどうかよくわからないのだけど、本作の大きなテーマは「自己肯定」。最近の日本の映画では「自己肯定」を描いた映画が多いように思うのだけど、どうだろう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:39:30