「僕の見た『大日本帝国』」
文庫本として出た西牟田靖著「僕の見た『大日本帝国』」を読み終わる。単行本が出た時に評判になっていて気になっていたのだけど、文庫になったので読んでみた。先週の旅行で鞄に忍ばせていたのだけど、なかなか進まず。おまけに寄り道をしてしまったので、意外と時間がかかってしまった。著者は学者でもなんでもないから、かつての大日本帝国の足跡をたどる旅も一旅行者の視線で見つめている。そこが面白くもあり、時には物足りなくもあり、ナイーブ過ぎると思わなくもない。僕が読みたいと思ったのは、かつて日本がアジア各地に建てた建築物(神社の鳥居なども含む)が、その後どうなっているかがいくつもレポートされているから。日本の敗戦後独立した国々の国情によって、日本との距離感も変わり、それを反映して建築物の扱いも違っていることが興味深かった。単行本はどうなのか分からないが、惜しむらくは文庫本の限界もあって、写真が少なかったこと。単行本が評判になって、写真が多く掲載された本も出版されているようなので気になる。