2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2010/7/11 日曜日

選挙/定期演奏会

午後、参議院の選挙に行く。この時間ではテレビでは賑やかな選挙特番をやっている。前はこんなににぎやかに選挙特番をやっていなかったような気がするのだけど・・・。

選挙に行った後、墨田区交響楽団の第52回定期演奏会に行った。なぜだか招待券をもらったのだ。錦糸町に引っ越して早5年。クラシックファンには知られているすみだトリフォニーホールに今まで行ったことがなかった。区民割引のコンサートがあったり、気になるコンサートがあったのだけど、つい行きそびれていた。で、今日、初めてホールに行きました。演奏会は大ホール。約1800人収容。満席。確かにいい響きのホールでした。曲目はモーツァルト/歌劇「イドメネオ」序曲、 ベートーヴェン/交響曲第1番、ベートーヴェン/交響曲第8番でした。最近はすっかり耳も鈍ったので、演奏がいいのかどうなのか、僕はよく分かりませんでした。印象としては、最近の傾向かもしれませんが、曲が作曲された時代の編成・テンポなどに忠実に演奏しようとしているようなので、金管好きの僕にとっては、金管が少ない編成は少し地味に響きました。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:08:43

2010/7/10 土曜日

「MM9」

山本弘著「MM9」が文庫になったので読んでみた。MMとはモンスター・マグネチュードという、怪獣による災害の大きさを表したもの。(本書の設定。)怪獣襲来が日常化し、気象庁特異生物対策部が対処するSF小説。この気特対の活躍が読みどころ。いろんなタイプの怪獣が登場するのも面白いし、当然、怪獣映画・TVへのオマージュも。少し引っかかったのは、質量保存の法則を無視した怪獣は存在しないことから、いかにして怪獣が存在しうるかをハードSF流の設定で位置づけたところ。それはそれで面白くはあるのだが、一方で理屈っぽい、という気がしなくもない。毎日放送でドラマも始まり(脚本:伊藤和典!)、東京では見れないのかな、と思っていたらMXテレビで放送するようなので、こちらも見てみよう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:07:45

2010/7/9 金曜日

あるドキュメンタリー

最近、時々、「ドキュメンタリー映画を公開したいのだけど・・」という相談を受けることがある。まあ、僕などが答えたってたいして参考にならないだろうけど、出来るだけどういう可能性があるかはちゃんと考えたいとは思う。・・・というようなこともあって、今日はあるドキュメンタリー映画のDVDを見た。とても面白いドキュメンタリーだった。ただ、公開するにはそれなりの工夫をしないといけないな、とも思った。(どうなるか分からないので、題名は伏せておきます。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:26:42

2010/7/8 木曜日

「昭和16年の敗戦」

僕は太平洋戦争の話を聞くたびに、なぜ、日本はアメリカと戦争をしたのかがどうしても分からなかった。もちろん、当時の世界的な政治情勢などはそれなりに理解しているつもりだけど、疑問だったのは当時の国力としてはアメリカの方が強大だったわけで、精神論は別にして、国力の差を冷徹に比較検証した人はいなかったのだろうか、という疑問があった。その疑問に答えてくれたのが、猪瀬直樹著「昭和16年の敗戦」だった。最初の刊行が1983年で、最近、中公文庫で再刊になった。僕はこの本の存在自体を知らなかった。本書は昭和16年(1941年)に設置された総力戦研究所の実態を克明に描き出した力作だ。同時並行で当時の政府の動きも重ねて描かれる。総力戦研究所とは、軍事力だけではなく経済力・思想戦など多角的に戦争を研究するために作られたそうだ。集められたのは30代前半のエリートたち。軍から各省庁から民間まで約30名。そして、彼らは対アメリカ戦の机上演習において、開戦4か月前、「日本必敗」の結論にたどりつく。しかし、彼らの報告は現実の政治には反映されなかった。こうした事実を知ることが出来てとても有益だった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:46:31

2010/7/7 水曜日

七夕のプレゼント

今日は七夕。3年前、ニューヨークのブルックリン橋のたもとで、BOREDOMS(ボアダムス)のコンセプトに共鳴したミュージシャンが集まり、77台のドラムを渦巻状に並べてライブを行ったのが2007年7月7日。そして1年後、2008年7月7日、このライブ・リハーサルなどを記録したドキュメンタリー『77 BOADRUM』が映画館で公開された。僕も映画館で見て興奮した。そして、今日、2010年7月7日その『77BOADRUM』がDVDで発売された。早速買った。見るのが楽しみ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:06:30

2010/7/6 火曜日

VIDEO ACT!ブログ

僕が運営に関わっている、VIDEO ACT!ではブログを開設しています。ドキュメンタリー映画に関する情報を中心にいろんな情報を随時お知らせしていますので、ご興味がありましたら見てみてください。

 http://videoact.seesaa.net/

 上記ブログの見出しは、VIDEO ACT!のTwitterにも流れています。

http://twitter.com/VIDEOACTinfo

ちなみに僕はTwitterをやる気は今のところありません。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:53:18

ビデオ戦争

『ザ・コーヴ』を見て暗澹たる気持ちになったことをもう一つ書いておきたい。映画の中で太地町の漁民達が、自己防衛の意味もあって映画の製作者達にビデオカメラを向けるシーンが何度も出てくる。ここではカメラ対カメラの衝突が生まれている。そういうシーンを見ながら、僕は上映抗議活動をしているグループの人たちがこの間の抗議行動をビデオで記録しネット上で流している映像のことが頭に浮かんだ。彼らの映像の中には、映画館の支配人宅に押しかけ、父母に抗議する映像もあった。彼らが『ザ・コーヴ』の盗撮を問題視し、太地町の漁民の方々の肖像権侵害を主張しながら、自らも同じ行為をしているのように思える。先日のイメージフォーラム前での抗議行動の映像にはほんの少しだけ僕も映っていた。そんなことを考えていたら、少し脱線したことに思い当った。僕らが普通に生活していて、今や日常的に監視カメラに囲まれて日常的に盗撮されている。少なくとも僕は撮影を認めた覚えはない。いつ、どこで、誰に盗撮されているのか、それすら全く分からない。ここ数年で治安対策の名目で監視カメラの数は飛躍的に増えたから、盗撮される場面も増えたことだろう。そうした映像はどうなっているのだろう。考えてみればこれはかなり怖いことだ。現代はビデオ戦争の時代なのかもしれない。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:32:13

2010/7/4 日曜日

地デジに向けて

今日、午後5時59分から1分間、全国一斉地デジテストなるものが行われた。僕の家にはテレビが2台あって、1台は地デジ、もう1台はアナログだ。僕はアナログテレビを見ていたのだけど、まるで出来の悪いホラー映画のように砂嵐を流して警告を放送するのはとてもグロテスクだった。ただし、僕は本当にアナログ放送をやめるのなら、アナログテレビが見られなくなる、ということはもっと周知させるべき、と思っているのでやり方はともかくとして必要なことだと思う。問題は、地デジという略称はなんのことだか分かりにくいので、高齢者の方々が「デジタル」「アナログ」の違いがちゃんと分かるのだろうか、ということだったりする。僕自身は、今のやり方で地デジに移行することは反対だ。強制的に決まった日時にアナログテレビが見られなくなる、というやり方は間違っていると思う。前にも書いたけど、地デジ難民(2011年7月24日以後、テレビが見れなくなる人)が生まれる可能性を問題視することが、今のテレビの最大のタブーだと思う。テレビが自分たちの問題を報道するとは思えないから。ただし、僕は「地デジ反対」という言い方は正しくないと思う。現に地デジ放送は始まっているのだから。もし、気になった人は「アナログ放送停波反対」という言い方にしたほうがいいと思う。現在はアナログ波・デジタル波両波を送って何も問題がないのだから、要はそのままもうしばらく続ければいいだけだ。(経費がどのぐらいかかるのか、僕は知りませんが。空く予定の周波数帯での事業計画がどのくらい困るのか、も分かりませんが。)明日からアナログ放送は全て16:9のレターボックス(上下に黒味が入る)になるそうだ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:21:38

『ザ・コーヴ』/『モダン・ライフ』/『月あかりの下で』

上映阻止行動が続いているザ・コーヴが今日が初日とあって、行くことにした。その際に、僕は単なる一観客として行こうと決めた。僕は映画自体を見ていなかったので、何はともあれ見てから考えよう、と思っていたのだ。今日は混むことが予想されたので、初回を見るための整理券をとるために10:30にシアター・イメージフォーラムに行った。上映自体は13:00~だが抗議活動をしている団体がホームページで12:00~街宣をすると告知していたので、しばし時間をつぶして12:00前に劇場に行った。すでに大声が響き渡り大勢のマスコミ、警官が劇場を取り囲んでいた。知った方が何人か取材もしていた。僕は抗議活動をしている人たちの生の声を聞きたいと思っていた。彼らの言い分を聞いていたのだが、僕にはあまり説得力を持って響いてはこなかった。多少の混乱はあったがそれほどではなかった。約20分ぐらい街宣があったのだが、突然、彼らは「グーグルに抗議に行く」(彼らのアカウントが削除されたらしい)と言って劇場前から去って行った。少し拍子抜けした。入場時に妨害されたら文句の一つも言おうか、と思っていたのだが。

劇場内には前方両側に警備員が。『靖国』の上映と同じ、嫌な光景だ。(嫌だ、というのはこんなことはないほうがいいに決まっているから。)何事もなく、無事、上映は始まった。さて、その『ザ・コーヴ』の感想を書いておこう。冒頭からほとんどスパイ映画ばりの怪しい導入部。僕は思わず笑ってしまった。その後、本映画の主人公とも言うべき、リック・オバリーが、なぜイルカ解放運動を始めたのか、というくだりはそれなりに見ることが出来た。特に僕は水族館のイルカショーでイルカがストレスで傷ついている、という話に考えさせられた。つい、イルカショーで「わー!」とか言っている自分のばか面を思い返した。もっとも、イルカだけではなく動物園・水族館は多かれ少なかれそうなのかもしれないけど。リック・オバリー(および監督)が和歌山県太地町を車で走りながら漁民に追いかけられたり、警察に質問されているシーンを見ながら、そうか、彼らは元々要注意人物だったんだ、と納得。そしてこの映画のクライマックスに向けて、「大盗み撮り作戦」を開始するにあたって僕は白けてしまった。「まるでスパイ映画みたいで面白い」なんて声も聞くが、僕は単に製作者たちの自慢話にしか見えなくてあほらしくなった。どうしても「入江」の映像を撮りたい、という情熱は分かるのだが。そうしたシーンを見ながら、僕はやはりこの映画は見られるべきだ、日本で公開してよかった、と思った。彼らの行為が「犯罪的」とするなら、彼らはこの映画でその過程も全て晒しているわけで、自ら「犯罪的行為をしました」と確信犯的に言っているのに等しい。だからこそ、彼らの意図とは別に彼らの行為を見ることには意味がある。隠そうとすることほど愚かなことはない。大作戦のあげく彼らが盗み撮りした映像を見ながら、ここでも僕は製作者の意図とは全く違う思いで見ていた。それは、太地町のイルカ漁は海・入江の地形をとてもうまく利用したものなんだなあと感心していた。確かに血で染まった入江はどぎついけれども。意外にも僕はこの映画はやはり映画館で見てよかったと思った。時々映る、湾の風景が美しかったからだ。なお、この映画でのイルカ肉が鯨肉として売られているという話と水銀汚染の話はもう少し詳しく調べてみないと分からないなあ、と思った。

 夜、もう1本映画を見たいと思っていたので、時間が空くな、と思っていたのだが、ちょうど時間がぴったり合ったので、せっかくなので同じイメージフォーラムで先週から公開されたドキュメンタリー映画『モダン・ライフ』を見ることにした。こちらは『ザ・コーヴ』とま逆のような作品。まず、監督は観客の想像力・知性を信頼していること。また、映画に映る人びととの強い信頼関係があることだ。映画は冒頭、南フランスの山道をゆっくり進む移動ショットで始まる。僕はこのワンカットでうっとりしてしまった。太陽の光線が美しい。この後も村の人びとを訪ねる時には移動ショットが度々入り、このリズムが心地いい。で、映画の内容としては、ほとんどが村人たちの身の上話。親戚がどうだの、これからの生活などなど。僕ら観客は映画を見ながら彼らの人生と向き合うことになるのだ。とてもいい映画だとは思うのだが、僕は少し物足りなかった。見る前の勝手な先入観だが、もっと村の暮らしが描かれているのかと思っていたのだが、インタビューが多かったのが少し残念。

今日から、イメージフォーラムでは『ビルマVJ』がレイトショーになったのでドキュメンタリー映画を3本公開しているわけで、ちょっとすごいことになっている。

その後、はしごの3本目。見に行ったのは『月あかりの下で ある定時制高校の記憶』というドキュメンタリー。完成披露試写会とあって大勢の入場者。370席の会場が満席。僕は予約せず、当日券を当てにして行ったのだが、ぎりぎり入れた。映画は副題にあるように、埼玉県立浦和商業高校定時制のあるクラスを描いている。夜間定時制高校は働く若者や高校中退者、あるいは何らかの理由で全日制の高校へ行けなかった人たちが学ぶ場。僕は夜間定時制高校を描いた中編を何本か見ているので、この映画を見始めた時はそれほど大きな違いも感じずに見ていた。むしろ、ナレーション(監督の太田直子さん)が少し多いなあ、と思っていた。(これは好みの問題ですが、映っている人の心情を代弁するようなナレーションは好きではないのです。)が、しかし、生徒たちの入学から卒業の4年間を撮っているだけあって、生徒たちへの距離が縮まり密度が高まり、次々にドラマが起きてくると徐々にナレーションも少なくなり僕もドキドキしながら見ている自分に気付いた。こういう寄り添うドキュメンタリー、というのもまた一つのあり方なのだ。担任の平野先生が素晴らしい。そして始めの方にビートルズがアメリカに初めて行った話が面白かった。ジョン・レノン曰く(上映後のトークでは「本当はジョージ・ハリソンでした」という平野先生の談に爆笑)「僕らのことを嫌いでもいいが、否定しないでほしい」、と。平野先生は生徒たちに語りかけているのだけど、僕は勝手に『ザ・コーヴ』のことを思い出していた。『ザ・コーヴ』の製作者に聞かせてやりたい。そして平野先生は生徒達の進級を心底願って涙を流す。映画の中でこんな感動的な涙は久しぶりに見た。映画の中で4年間の時が流れ、生徒たちの顔つきも変わっていく。ただ本当に残念なのだが、2008年に埼玉県立浦和商業高校定時制は統廃合によって廃校になったそうだ。そう、この時期、他の自治体でもこういう話を聞いた。効率、とは何か暗然とする。いいドキュメンタリー映画でした。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:51:19

2010/7/2 金曜日

明日は・・・

明日はいくつものドキュメンタリー映画の上映があって、さて、どうしたものかまだ考慮中。はたして・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:48:25

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