「ぼくらが夢見た未来都市」
五十嵐太郎+磯達雄著「ぼくらが夢見た未来都市」を読了。新書だからさくっと読めた。内容をコピペすると、高度成長期、少年向け雑誌のイラストや漫画に描かれた超高層ビル群、エアカー、空中都市などに、子供たちは魅了された。建築家たちも、増加する人口に対応するための巨大な東京計画を次々と発表した。一九七〇年の大阪万博は未来都市の実験場だった。しかし、四十年後の上海万博で展示された未来都市は、大阪万博とたいして変わっていない。未来都市は構想できなくなったのか?いまやノスタルジーなのか?ダ・ヴィンチから現在まで、建築家たちやSF作家たちが描いた未来都市像の変遷を辿る、というもの。建築史(こちらが五十嵐さん執筆)だけではなく、小説などのフィクション(こちらが磯さん執筆)内での未来都市を併置しているのが面白い。だから磯崎新におけるSF小説の影響、なんていう話も出てくる。そして、これからの未来都市は、多分、自分たちの足元を見つめ直すことから出てくるような気がしている。