「芸術原論」
赤瀬川原平著「芸術原論」読了。もっとすらすら読めるかと思ったら、意外と時間がかかってしまった。面白くなかったわけではなくて、いろんな連載を集めたものだから、あまり集中できなかったせいかもしれない。最近はすっかり文筆家のような著者だけあって、文章は面白い。いろんな画家の分析、読売アンデパンダン展の経験など、美術の行き詰まりを見た(と思った)分析など軽そうでいて射程は深い。超芸術トマソンの「超」の意味も分かった。路上観察で面白いことを発見する、諧謔精神のようなものも感じられる。本のタイトルほど堅苦しいものではなく、芸術あれこれのエッセイ集、という感じだった。(そこがいいのだと思う。)