「国立感染研は安全か」
出かける用事が一つなくなったので、先週末に手にした「国立感染研は安全か―バイオハザード裁判が予見するもの」 を読む。一読して労作だと思った。なぜ、国立感染研の移転に対する反対が起き、運動がどう進み、裁判はどう闘われてきたのかがなかなか感動的に描かれている。多くの筆者が役割分担して執筆したことが、結果的に立体的に問題を浮かび上がらせていていい本になっていると思う。手前みそだが、僕も自分が関わった新井秀雄さんの裁判について書かせてもらい、こうして記録に残せてよかったと思う。時代はこうしてwebでなんでも情報が読めるような錯覚を覚える時代ですが、本という形で残すことは今でも大切だと思っている。
「国立感染研は安全か―バイオハザード裁判が予見するもの」
(緑風出版A5版上製305頁税込4200円
ISBN:978-4-8461-0910-3)
国立予防衛生研究所=現国立感染症研究所の突然の移転に対する、周辺住民と早大教職員による裁判闘争を総括。最高裁が「取り返しのつかない惨禍」を生み出しかねない危険を指摘した本裁判の記録。
<目次>
第1章バイオハザード裁判とは?
第2章法廷においてバイオハザード裁判はどう闘われたのか
第3章科学者はどう行動したか
第4章国際社会におけるバイオハザード予防と枠組み
第5章バイオハザード裁判の本質
第6章バイオハザード裁判が予見したこと
第7章今後の課題
第8章座談会(原告たちの声)
資料編