「市場検察」
僕は経済事情には疎いのだけど、グローバル経済だのなんだのと社会を考える上でも重要なことなのだろう。風邪をひいていた時に読んでいたもんだから、どれだけ頭に入ったか心もとないが、「市場検察」(村山治著)という本を読んだ。日本が金融ビッグバンを受け入れ、グローバル経済に巻き込まれる中で、検察が市場経済に対応するためにどう変化してきたのかを、検察内の人間ドラマも含めて描かれる。終りのほうで、一種の司法取引とも言うべき、リーニエンシーという制度の話が出てくる。談合やカルテルの実態を公正取引委員会に明かした企業は課徴金や刑事告発を免れる、という制度。こういうことが2006年から始まっていたとは知らなかった。多くの談合事件が摘発された背景にはこういうことがあったということだろう。その延長上に鳩山首相や小沢幹事長に関する検察の動きがあるのだろう。たまたまの偶然だが、この本を読んだ後だったので今日のニュースも少し引いて見ることも出来る。ただ、本の最後にもあるように、そういう検察の変化が「正しい」のかどうかはまだ分からない。