2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/12/13 日曜日

今日は自宅で

今日は出かけることもなく、一日中、家で本を読んだりして過ごす。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:34:33

さらば戦争!映画祭/「医学と芸術展」

今日は午前中、”さらば戦争!映画祭”へ。1本目『パリのモスク』。ナチスドイツ占領下のパリでユダヤ人を守ったモスクのドキュメンタリー。フランスでもあまり知られていない話だそうだ。監督のお爺さんもここで亡くなったのだとか。2本目は満蒙開拓団のドキュメンタリー。開拓団といと農村出身とつい思ってしまいがちだが、ここで取り上げられていたのは東京の商店街の人々が丸ごと入植した話だった。1982年に日本に帰国された残留孤児の方の話を聞く。

午後からは見た作品が2本あったので、どうしようかと思っていたが、気になる展覧会があったのでそっちに行った。見たのは「医学と芸術展」。今までにも結構、こうしたテーマの展覧会は好きで見ている。内容は豊富で興味深かった。拾いものだったのは、同時に開催されているテレルヴォ・カルレイネン+オリヴァー・コフタ=カルレイネンの個展。いろんな人から集めた不平不満を合唱曲にするというパフォーマンス。展示されているのはその映像。これがとても面白かった。今まで7カ国でやっているそうだが(今回すべて上映)僕は5カ国分を見た。国(地域)柄の違いと同時に共通点もあったりして飽きない。東京版も面白かった。その面白さは、ちゃんとエンターテインメントになっているところ。

その後、再び、上記映画祭へ。見たのは『ヒロシマ・ピョンヤン』。労作だと思った。監督の伊藤孝司さんとは面識がある。現在、朝鮮民主主義人民共和国・平壌(ピョンヤン)で暮す李桂先(リ・ケソン)さんは3歳の時、広島で被爆していた。若き日に一人で帰国し、2004年に母から被爆のことを聞く。伊藤さんは写真家としても何度も北朝鮮に行かれているけれど、国交がない状態でこれだけふかく取材されているのは大変なことだと思う。確か、東京上映は今回が初、のはず。これからもっともっと多くの人に見てほしい作品だ。最後は、『証言の証言』。(タイトルを変えたそうだ。)この作品の監督の国本隆史さんとも面識がある。国本さんは被爆者の証言を聞いても実感が持てなかった。そんな国本さんが被爆者が同乗したピースボートで世界一周の旅に出る。映画はこの国本さんの被爆者の証言に対する戸惑いをぐるぐると廻る。見始めて、難しいことをやってるなあ、と思った。証言とは何か、ということは哲学的なことでもあるから。同時に、空回り、いや空振りしているな、とも思った。ただその空振りは決して不快なものではなく、本人もその空振りを自覚している。問題はそれがゲームセットになっているか、どうかだ。僕は3三振ぐらいしていると思うけど、もう一打席ぐらいはありそうな気がする。そんな映画だった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:26:09