2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/11/3 火曜日

ヒアシンスハウス夢まつりin別所沼

埼玉県の別所沼公園に「ヒアシンスハウス」がある。今日はこの建物を運営している会が主催する第5回ヒアシンスハウス夢まつりin別所沼というイベントで『船、山にのぼる』を上映するので行ってきた。このヒアシンスハウスというのはどういう建物かと言いますと、1939年に24歳という若さで亡くなった、詩人で建築家でもある立原道造という人が、生前別所沼公園内に自分の別荘を建てようとしていたが実現せず、建築プランだけが残っていた。その66年後、彼の夢を実現しようとした人たちによって、そのプランがよみがえり建てられたのがヒアシンスハウス。まるで夢のような話。まずはその建物を見なければ、と思い、早めに現地到着。前庭ではインスタレーションの製作などが行われていた。そのヒアシンスハウスは、とても小さな建物。だけれども、一見してそのセンスの良さにふっと笑みが漏れる。中も人が一人寝れるスペースとちょっとした空間がある程度の小ささ。その小ささが心地いい。ぐるっと外観を見ても、窓の付け方、屋根の切り方などに品を感じる。66年後にこうした建物を実現してしまうこと自体、奇跡のよう。2004年に建てられたヒアシンスハウスは、毎週、定期的に開けているし、全国からファンが見に来るそうだ。今日はその年に一度のお祭り。この近くにある、別所沼会館で映画の上映。今日も、一番後ろから見ていたのだけど、集中して見てくれていたように思った。上映後、PHスタジオの池田さんと僕でトーク。司会の津村さんのおかげで、スムーズに話せた、と思う。その後、合唱団の歌があり、懇親会へ。建築関係の方から文学関係の方まで多士済々。皆さんの率直な感想が聞けた。ヒアシンスハウスを見ていたせいか、なんだかすがすがしい上映会だった。心ある人たちの手によって、ぜひ、今後もヒアシンスハウスが心地よい場所であってほしい、と願わずにはいられない。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:56:21