今日は自宅で
台風が来たせいもあるが今日は一日自宅で。
最近どうもいろんな歯車がうまくかみ合っていない・・・。
2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。
選挙に行った後、VIDEO ACT!上映会へ。今日上映したのは『高尾山、二十四年目の記憶』。高尾山にトンネルを掘る、圏央道建設に関する反対運動を描いた作品。監督の宍戸さんは初めて作った作品だそうだが、とても丁寧に作られた作品だった。見ながら思っていたのは、今日は選挙だったわけですが、この間に日本で起きたのは「山河破れて国有り」という状態だったのではないか、ということ。詳しい報告をVIDEO ACT!のブログに書く予定。
さて、選挙の話を少し。僕はどうしてもマスコミがやっている出口調査、というものに違和感がある。誰に、どの党に投票したか、というのは個人のプライバシーにとってとても大切なもののはずだ。僕自身は聞かれたことはないけれど、少しでも早く「結果」を報道したいという理由があっても、出口調査というのはいい行為だとは思えないのだ。少しぐらい遅くたって、全部の開票が終わってから報道してもいいんじゃないか、と思う。
午後、バイオハザード予防市民センターの幹事会。ひとしきり、現在の新型インフルエンザに関する情報交換・議論。
夜、『俺にさわるな!』という、自主制作映画の関係者試写会へ。僕は関係者ではないけれど、ある方から誘われたので。映画の舞台は横浜市野毛。今どき珍しい、どこか泥臭いテイスト。歌謡曲が聞こえてきそうな人情話。遠くに見えている、みなとみらいのランドマークタワーと対照的な野毛の町並み。横浜と言えば大都市ではあるけれど、この映画も街を愛している人たちで作られた「地域発」の映画だと思う。11月にジャック&ベティで公開。
アニメの『サマーウォーズ』を見る。親戚一同のドタバタも楽しいし、ヴァーチャルなネット世界の描写も楽しんだ。けど、ふと考えてみれば、よくあると言えばよくありそうな話をうまくアレンジした、とも言えそうで、その辺のアレンジ力が見事なのかもしれない。
昔見た『柔らかい殻』をDVDで見る。50年代のアメリカの田舎で少年が見た狂気を美しい映像で描いている。冒頭の麦畑からラストの夕陽での絶叫まで美しい。ノーマン・ロックウェルの絵画の世界の裏にある闇、とてでもいいましょうか。昔見た時ほどの新鮮さはさすがになかったのですが、好きな映画。監督のフィリップ・リドリーはその後1本映画を撮っただけで、最近は映画を撮っていないのが残念。
あるべらぼうにページ数があって、重い本を読み始めた。(読了したら書きます。)とてもこんな本は外に持って行けないなあ、と思っていたが読み始めたら面白くなってしまって、無理を承知でナップに入れて外出。重い。
夜、VIDEO ACT!の会議。VIDEO ACT!の活動の中で重要な部分に2年に1度出している、ビデオカタログがある。このカタログには多くの団体・個人に参加していただいて、180作品ほど掲載している。もうすぐVol7の発刊が近く、現状を聞いた。実は僕の『科学者として』は今回から掲載を見送った。単純な理由はDVD化していないから。今どきVHSだけでは売れないだろうと。そんなこともあったので、なんとか参加作品を増やしたい、と思ってネット上でドキュメンタリーを中心に情報を集めたら、その中からいくつか参加してくれるようになったようでよかった。中には著名なプロダクションも。10月発刊予定。
昼間、所要を済ませて、夜、三軒茶屋にえま&慧奏さんのLIVEを聞きに行く。えま&慧奏さんは『船、山にのぼる』の音楽を作ってくれた風の楽団のメンバーでもある。風の楽団のメンバーの方々は皆さん関西在住で、なかなか関東でライブを聴くチャンスがない。だから、めったにない機会を逃したくなくて、聞きに行った。えまさんの声は天から降ってくるようでもあり、地から湧き出るようでもあり心に通る声。いくつかの民謡が素晴らしかった。えまさんの声・二胡をやさしく包みこむような慧奏さんの演奏。今回初めて聞いた、DJとのコラボレーションが新鮮でこれまたよかった。そして、ラスとアンコールのサッチモの「What a wonderful world」をえまさんが日本語に訳したカバーに感涙。10月には京都で風の楽団のライブがある。今年はこの1回だけだそうなので、なんとか行きたいものだ。
念願かなって、昨日と今日、越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭2009に行ってきました。まずは日記風に。
8月21日 午前9時4分越後湯沢着。すぐツアーのバスで十日町へ。受付をすませ、10時15分出発。回ったのは北回り1、というコース。ちなみに750k㎡の広大な場所に350以上作品が設置されているからどだい全部を回るなど無理。だから今回はバスツアーにした。車窓から見た作品を含めて、見たのは12か所。今回、特に気になっていたのは、人が住まなくなった空き家を展示空間にした空家プロジェクトや、児童が少なくて閉校した学校を展示場所にした廃校プロジェクト。前回からこうした取り組みが活発になったようだ。ツアーガイド(現地のボランティア)の方の話を聞いていると、ここ5年ぐらいで閉校した小学校が多そうだ。中には今年3月に閉校した学校もあった。校門をくぐりながら、やはり一抹の寂しさが。一方で、こうした取り組みに大地の芸術祭の「本気度」も感じる。また、山間部の風景はとても美しいのだけど、過疎化が進み、特に中越地震の影響もあって、人が住まなくなった空き家がより増えたそうだ。個々の感想は長くなるので省略するけれど、うぶすなの家はとてもよかった。やきもので再生した家。茅葺の古民家が見事に息づいていたし、焼き物の展示もとても空間に合っていた。そして、地元のおばさん達が作る手料理がおいしい。ここで昼食を食べたのだけど、新鮮な野菜を化学調味料を使わないで作った料理は素朴だけどおいしいのだ。普段、自分がいかにジャンキーなものを食べているかにも気づく。おばさんたちも元気。そんなこんなで、ぐるっと回って、十日町のホテルにチェックイン。すぐさま、十日町シネマパラダイスへ。まだ開館してから2年も経っていない、新しいミニシアター。ぜひ一度は行ってみたい、と思っていたのだ。昨年、全国のミニシアターにいくつか行ったけど、この十日町シネマパラダイスはとりわけきれいだった。新しいから、というのではなく、ロビーがゆったりとしていて、グランドピアノが置いてあるミニシアターって初めて見た!で、見たかった映画は『小屋丸』というドキュメンタリー映画。監督はフランスのジャン=ミッシェル・アルベローラ。いろんな形態で作品を発表しているアーティストらしい。この作品は4家族が暮らす小さな集落「小屋丸」を2006年から撮影してきた作品。実はある方から仕上げの前に相談されて、少しだけラッシュを見せてもらっていた。だからずっと気になっていたのだけど、とにかく完成してよかった。ラッシュを見た時に思っていたことが少しあたり、少し違っていた。とても不思議な映画になっていた。集落の様子を丁寧に描くというよりは、スケッチのような作品。お爺さん、お婆さんが問わず語りにいろんなことを語る。雪の景色も美しい。淡い夢を見たような気がした。続いて、地元十日町で撮影された『しゃったぁず・4』を見る。ご多分にもれず、十日町商店街も多くの店にシャッターが下りている。この映画は劇映画で、東京から出戻った主人公が、商店街を何とかしようとする姿を描く。もちろん、地元十日町で撮影。役者の方々はプロだし撮影もしっかりしている。映画を見ながら、地元で作られた映画を地元で見る、というのはとても幸せなことなんだ、と思っていた。(やや脱線するけど、映画も地産地消、スローフードにならってスロームービーが必要な時代になっている、と最近よく思う。)とても素直に見れるのだが、欲を言えばもう少し毒があってもよかったかな、とも思った。映画館を出て、映画の舞台となった商店街を通ってホテルに向かう。
8月22日 午前10時15分、今日は北回り2というコースのバスツアー。昨日と同じく10数か所を回る。田島征三さんの絵本がそのまま飛び出した元小学校もあった。いろんなギャラリーが参加している福武ハウスも元小学校。ツアーの最後は、BankART妻有 桐山の家。あいにく、池田さん達には会えなかったけど、みかんぐみのリノベーションがさらに進んでいたり、アーティストの展示が進んでいたりと、とても楽しい空間になっていた。2年前の夜、ここで見た澄んだ空気を通して見上げた流星群が忘れられない。午後7時の新幹線に乗って帰宅。