メイシネマ祭’09
ゴールデンウィークと言えば、メイシネマ祭である。昨日は行かなかったのだけど、上映2日目の今日は行ってきた。代表の藤崎さんの挨拶文を読むと、今年で20年目に突入だとか。多分、ドキュメンタリー映画の上映会としては、今やもっとも歴史ある上映会になったんじゃないでしょうか。お客さんが少ない時期もあって、厳しい時もあったようですが、近年は多くの方が来られていて、常連の方も増えたようだ。それにしても、20年も継続しているのは本当にすごいことだと思う。僕も大学を卒業してからそれなりに参加しているから、15年ぐらいになるということでしょうか・・・。
さて、今日は3本見た。まずは、『あもーるあもれいら 第2部 勝つ子負ける子』。メイシネマでも今やすっかり常連となった岡村淳監督の最新作。今日もブラジルから会場に来られていた。作品はブラジルの貧しい子どもたちが通う幼稚園を描く3部作の2作目。僕は第一部も見ていた。貧しい子ども達の背景も少し描かれているのだけど、僕が今日見ながら思っていたのは、なんて賑やかな映画なんだ、ということ。とにかく、1時間45分の間、1時間半ぐらいはずっと子どもの声が聞こえていたはずで、その騒々しいこと!また、映画の作りもいい意味でグダグダ感があり、グルービーな映画だな、と思った。2本目は『つぶより花舞台』。見逃していたので見れてよかった。映画はシニア劇団の旗揚げ公園のドキュメンタリー。途中、急に本番になって、えらくせわしない展開だなあ、と思ったら、そこからさらに稽古風景に戻っていく、ちょっとアクロバチックな構成。そう来たか、と思って途中までは楽しかったのだけど、さすがに何度も続くと少々飽きた。もう1ヶ所、フックがあればもっと生きたんじゃないか、と思ったりした。3本目は『タクシー・トゥ・ザ・ダークサイド』。タイトルだけ聞くとなんの映画か分からないが、アメリカが「テロとの戦い」で設置した収容所を描く、へヴィー級の作品。なんでも昨年、アカデミー長編ドキュメンタリー賞をとったのだとか。(脱線ですが、ドキュメンタリー賞がない日本のアカデミー賞はその点でも本場に負けますね。)この映画は、アフガニスタンのバグラム空軍基地の拘禁施設やイラクのアブグレイブ刑務所、キューバのグアンタナモ収容所などでいかなる論理で拷問が行なわれたのか、さながら推理小説のように緻密に検証していく。その展開には息を呑むのだけど、映画の作りはCBSドキュメントのような、インタビューを中心にしたものなので、意外と平板。音楽もずっと鳴りっぱなしだし。そうは言っても、「拷問の論理」に背筋が寒くなるのも確か。こういうジャーナリスティックな作品が生まれてくるのも、アメリカのいい部分なのだろう。
明日も見に行く予定。