2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2009/2/19 木曜日

チラシ校正/『チョコラ!』

今日も引き続き、イセザキ映像祭のチラシ校正。昨晩遅くデザインが届いていたのだが、チェックできなかったので、慌ててチェック。同時に、関係団体にも確認してもらわねばならず、データを送る。今日入稿、と聞いて焦っていたのだが、昼頃、明日入稿と知り、多少は安堵するものの時間はないわけで、少々強引に関係団体とのやりとりをする。夕方、やっと修正箇所がまとまり、デザイナーの方に送る。明日、入稿前にもう一度チェックすることになるとは思うが、僕のほうでは校正が終わったはず。こういうことにはドタバタがつきものとは言え気を使う。(次はどう宣伝するのか、という問題がありますが・・。)実質、僕が関わって1ヶ月ちょっと、自分で言うのもなんですが、よくたどり着いたもんだとは思う。

その後、何があるか分からないので、出かけるのをちょっと躊躇したのだが、家でじれったくしていてもしょうがないから、思い切って出かけることにした。行ったのは、小林茂監督の『チョコラ!』というドキュメンタリー映画の試写会。小林さんとは編集中に一度お会いして、体調の事もあり、大変苦労されている様子をお聞きしていた。編集の秦さんには『船、山にのぼる』の予告編の編集でお世話になった。だから、まずは5月からユーロスペースでの公開が決まってよかった、と思っていた。(宣伝は、『船、~』でもお世話になった原田さんでもある。)映画は、一言ではうまく伝えられない、不思議な感触を持った作品になっていた。なぜだろう、と見ながら思っていたのだが、見る僕のほうに妙な先入観があったことに気が付いた。描かれるのは、ケニアのストリートチルドレンたち。と書くと、「かわいそうな子どもたち」と思ったり、「それでもたくましく生きる子どもたち」と、つい思ってしまう。確かにどちらも間違ってはいないのだが、僕がこの映画で感じていたのは、「ふてくされた悪がきたち」の姿だった。ストリートから家や学校に戻される子どもたちの表情は不機嫌だ。でも、この不機嫌さには僕にも思い当たることがある。小林さんもプレスに書いているように、思春期の子どもたちにとって、家や学校は決して居心地がいいものじゃないだろう。ケニアの過酷な背景の違いはもちろん見過ごすべきものでもないけれど、確かに地続きの感触がある。そして、もう一つは製作者たちの目線。ドキュメンタリー映画って、作者の目線が如実に出てしまうものだけど、この映画は「地上1メートルの視線」だと思った。上からの目線でもなく、下から無理やり見上げる視線でもなく、子ども達の身長に寄り添うような視線。それが不思議な感触を生んでいる。

上映後、久しぶりにお会いする方が大勢いたりして、ちょっと飲みに行くかなんて柄にもないことがふと頭をよぎったのだけど、どうしても一つ片付けないといけないことがあったので、後ろ髪を引かれながら早々と退散してしまった。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:36:56