取手アートプロジェクト2008
今日は茨城県取手市に行って、”取手アートプロジェクト2008”を見てきた。取手アートプロジェクトは公募展は隔年、環境整備事業は毎年行なわれていて、取手市、東京芸大、市民の3者で作っている美術展だ。前々から気にはなっていたのだけど、今までは行きそびれていた。で、今回、どうしても見たかったのは、取手井野団地という団地が会場になり、多くのアーティストがレジデンス(滞在制作)をする、と聞いていたからだ。加えて、ゲストプロデューサーが建築家ユニットの”みかんぐみ”と聞けば、見ないわけにはいかないでしょう。(「団地再生計画/みかんぐみのリノベーションカタログ」は楽しい名著だと思う。)
話はさかのぼりますが、6年前、僕が育った山陽団地というところで、ニュータウン アートタウン展という美術展を企画・開催した。なかなかに大変な企画だったのだけど、面白かった、と自分では思っている。この時にも、みかんぐみの方々にワークショップをしてもらった。団地内でレジデンスをしたかったのだけど、岡山県の管轄部署は頭が固くて、ついに許可が下りなかった。仕方なく、展示場所として4戸を借りたのだけど、その交渉に半年以上かかり、へとへと、時には怒り心頭、なんていうこともあった。公営住宅、というのはなかなか縛りが厳しいのです。
で、今日見た取手井野団地は、UR(都市再生機構)もかなりバックアップしているようで、5階建ての団地のあちこちが展示場所になっていた。個々の作家に関しては、色々、思うところもあったが、とにかく展示場所を探して歩いていると、まるで友達の家を探して歩いているようでわくわくしてくる。団地も40年近く経っていることもあって、植栽が立派になり、かつきれいにしているのが印象深かった。人が生活している空間を歩くのは、なかなかスリリングで面白い。個人的に面白かったのは、生意気、金沢寿美など。みかんぐみが作ったcafe、青空図書館もさすが、という感じ。また、1階の空き店舗をアーティストのアトリエとした”取手アーティストビレッジ”もオープンアトリエをやっていて、なるほどURの本気度が分かった気がした。
夕方~夜には映像上映を中心にいろんなイベントがあるようだったけど、長居も出来なかったので、展示だけを見て帰った。
とにもかくにも、画期的な展覧会だと思う。