2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/10/29 水曜日

『消えたフェルメールを探して』/打ち合わせ

今日は『消えたフェルメールを探して』というドキュメンタリー映画を見た。この映画はフェルメール作の「合奏」という作品が、美術館から盗まれて、その行方を追う”絵画探偵”ハロルド・スミスの捜索を描いたもの。展開が早く、ややテレビ的ではあるのだけど、十分面白かった。ハロルド・スミスの強烈なキャラクター(黒のアイパッチ!)が縦糸なのだけど、かのフェルメール作品が展示されていた素晴らしい個人美術館を建てた、イザベラ・スチュワート・ガードナーの生涯が横糸となっている。同時に、元美術泥棒などなど怪しい人が大勢出てくる。そもそも、こんなに有名な作品は盗んだところで大っぴらにお金に換えることは難しいわけで、裏世界が複雑に絡んでくる話も興味深い。かつてあったように、IRAなど政治がらみの話もあって、魑魅魍魎が跋扈する世界が少しのぞける。面白いのはこうしたどろどろした話と静謐なフェルメールの絵が遠いことだろうか。いまだに絵は見つかっていないし、ハロルド・スミスも亡くなってしまった。

映画を見た後、鎌田さんとVIDEO ACT!ドキュメンタリー祭について打ち合わせ。主に物販物についてなど。他にも色々。まだこれから細かい話も出てくるだろうなあ。気になるのは、今のところマスコミの反応が鈍いところ。こちらからの再度のアプローチも必要だろう。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:51:16