『フツーの仕事がしたい』
VIDEO ACT!スタッフで知人の、土屋トカチさんの劇場デビュー作『フツーの仕事がしたい』というドキュメンタリー映画が今週末から公開される。「劇場デビュー」っていうのは一生に一度だけ。二度とない。最近、ワーキングプアとか日雇い派遣とか劣悪な労働環境がずっと話題になっている。テレビでもよく報道されている。だけれども、多くは「どうしたらいいのでしょうか?」と問題を丸投げ。この映画がすごいのは、そんな状況への闘い方を描いている点だ。とは言っても、主人公の皆倉さんは見るからに弱々しい。だから、一緒に闘う仲間がいるのだ。加えて、この映画はカメラも闘う仲間という点。シャレにならないが、途中、監督のトカチさんはカメラを持ったままやくざまがいの連中に暴行を受ける。もう、画面はぐらぐら。
この映画には個人加盟できるユニオンが出てくる。僕は、個人的には「労働組合」にいいイメージが無い。理由は単純で、父が労働組合の活動家でそのせいで家族の軋轢がたえなかったから。(その辺は『ニュータウン物語』に出てくる通り。)これは本当に個人的なことで、今では組合の必要性もよく分かっているから、単なるトラウマみたいなもの。そんなことは置いておいて、まずは多くの人にこの映画を見て欲しい、と思う。