それほど髪が長くなったわけではないが、暑い日が続くので少しうっとうしくなり、散髪した。気分転換、というほどでもない。
夜、なんだか怪しい匂いがぷんぷんしている、ドキュメンタリー映画『GATE』を見た。内容が怪しい、わけでは決して無い。(いや、見てみると怪しい部分もあるのだが・・・後述。)何せ、日劇という大きな映画館で公開していながら、チラシすら見かけない。こんな興行はまず考えられない。にしても、日劇でドキュメンタリー映画をやった記憶がないので、どういうことなのか、興味はわく。明日までの上映のようなので、見ておこうか、と思った次第。600席以上ある劇場で30人ほどの観客。なんなのだこれは?
で、映画を見始めてまたまたびっくり。画像が粗い。ビデオ撮影のキネコ(35mm)だからしょうがないのだけど、もう少しきれいなキネコが出来るはず。マーティン・シーンが出てきて何やら喋るのだけど、特に出てくる意味はなし。そして、冒頭、再現ドラマが始まった時、頭の中で「トンデモ・ドキュメンタリー」という言葉が頭をよぎった。何せ、監督であるマット・テイラー氏が出てきて、原爆の火をトリニティーサイトへ返す提案をするのだけど、ドリーを使って、2人の会話を見せるのだけど(本人が演じる再現ドラマ)、もうカメラの動きとカット割りがめちゃくちゃで見難いことこの上ない。加えて、その後もそうなのだけど、説明過多のナレーションと大げさな音楽が鳴りっぱなし。途中にはロックから日本の歌までこれでもかと。松嶋菜々子のナレーションも少し耳障り。確かに、広大なアメリカを2500kmを行脚する僧侶は興味深いし、感動的だとは思う。だが、その「感動」はこうして厚化粧しなくても十分伝わるはず。加えて、映画を深くするはずのシーンはほとんどなく、おまけに編集も構成も変。そして、最後、トリニティーサイトのゲイトが「初めて」民間人に開かれたかのように語られるのだけど、テレビも映画でも何度も見てきたけど、「初めて」ということはなかろう。(ナレーションではホワイトハウスの影響すら示唆。)ラストの字幕では「核兵器解体」が地球温暖化問題を解決するかのように言っているが、先の洞爺湖サミットの裏テーマが「原発推進」だったように、僕はその点は納得できない。製作母体の核兵器解体基金や製作・監督のマット・テイラー氏はいろいろ噂があるようだけど、事実関係が分からないから、僕はその部分はよく分からない。けど、映画としては久しぶりにトンデモ感たっぷりでした。それにしても、こういう映画を大して宣伝もせずに(僕だっていくら再上映とは言え、チラシだって15000枚は刷っているのに・・)大劇場で上映するとはよくわからん。(常識で考えれば、興行保証だって相当な金額になるだろうし・・・。)また、普通で考えれば昨日は広島に原爆が落とされた日であり、もうすぐ長崎に落とされた日という、一番、原爆が話題になる時期だというのに・・・客席はガラガラ。ほんとによくわからん。
先日、「狂気の核武装大国アメリカ」という本を読んだ。こちらはいい本だった。