取材/「磯崎新の「都庁」」
今日は某新聞の取材を受けた。久しぶりの取材だったので、待ち合わせ場所に行くまでにちょっと緊張してたのだけど、記者の方に会った途端、緊張が解けた。この方は、前作『ニュータウン物語』を破格の大きさで記事にしてくれた方で、現在、名古屋におられるので、名古屋の公開に合わせて取材していただいた、というわけだ。(ちょうど、東京本社に来られる用事があったそうで、よかったです。)
いくつか早急に決めなければいけないことがあるのだけど、うまく決まらず。そうも言ってられないので、近々に決めないと・・。
「磯崎新の「都庁」」という本を読了。これは傑作。僕は建築に関してそんなに詳しくはないのでよく知らなかったのだが、今の都庁にはコンペがあって、磯崎新の案があったそうだ。(もちろん、今の都庁は丹下健三設計。まあ、それぐらいは知っていた。)この本がすごいのは、都庁設計のコンペを縦軸に、戦後の建築史と人間ドラマを横軸にしてものすごい密度で描かれつつ、とかく難しくなりがちな建築の話でも分かり易く、手に汗握る筆致で描き出していることだ。磯崎アトリエの関係者への取材も相当細かいはず。確かに、今の都庁が出来た時は評判が悪く、権威の城のように思えたものだ。いったいいくつの映画が都庁を象徴的に映してきたことだろう。(かくなる私も、以前の短編の冒頭は都庁だ。)そのデザインもバブル崩壊後に見てみると、確かに何がしかの時代性を持ってしまったのだと思う、丹下健三の思惑と違って。磯崎新の設計も確かに興味深いのだが、実際建っていたらどうだったろう・・。とにもかくにも、最近、こんなに面白く読んだ本はなかった。