アンコール上映/『アメリカばんざい』
雨が降るんだか降らないんだか、こんな日は一番困る。なぜなら、今日はチラシ撒きに行こう、と思っていたのだが、雨が降ればチラシが濡れてしまうのでそれもできない。だから、今日はチラシ撒きをやめておいた。
そんなこともあったから、いくつかやらなければいけないことを。東京のアンコール上映に関して、何人かの記者に電話。う~ん、さすがに再上映では取り上げにくそう。名古屋の某記者に連絡。こちらは少し目がありそう。
ポスターの追加印刷の発注。
などをしていたら、いくつか考えなきゃいけないことが出てきて、ちと悩む。
時間がうまく空いたので(と書くと失礼だが、他の日でもいいな、と思っていたのだ)午後3時過ぎにドキュメンタリー映画『アメリカばんざい』の試写に行く。監督の藤本幸久さんの前作が東京で公開された折、事務所をお貸しした、ということがあった。僕自身、2006年の夏は、『船、山にのぼる』の追加撮影をするかしないか流動的な頃で、精神的にもちょっと参っていた時期だった。(結局、追加撮影はせず、林さんに実景だけを撮ってもらった)だから、あまりお役に立てなかったなあ、と思ったりしていた。ちょうどその頃、藤本さんはアメリカに米兵の撮影に出かけたりされていた。それがこの『アメリカばんざい』になった、ということだ。こうして新作を作り続けるバイタリティーはすごいと思う。藤本さんも来られていたので、挨拶して僕のほうの資料をお渡ししました。
前置きが長くなったが、肝心の映画である。時たますぐには感想をいえない映画に出くわすことがあって、この映画もそうだった。軽々に感想を書きたくない、というか。とにかく、帰還兵とその家族を中心に丁寧に丁寧にインタビューが続き、アメリカの兵士もいかに傷ついてきたかがよく分かる。そのことは同時に、アメリカの抱える構造的な病でもあるだろう。その構造も見えてくる。最近話題の書「貧困大国アメリカ」でも描かれている通りだ。そんなことを考えながら、次第に言い知れぬ何か(だから書けないのだけど)を感じ始め複雑な気になった。