2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/6/3 火曜日

会計/原稿/「カーブボール」

前売り券の精算が全て出揃ったので、とりあえず、枚数などをまとめる。こうした会計はあんまり得意じゃない。でも、自分でやるしかない。

某地方紙での連載原稿の校正。最後の2回分を書き直して、よくなったと思うのだけど、どうだろう。

最近読んで面白かった本。「カーブボール」。タイトルだけ見ると、野球の本のようだけどさにあらず。この本はイラク戦争をおこしたアメリカがその「攻撃理由」としていた情報の奇奇怪怪の詳細をものすごい調査で暴き出した本。僕もパウエル国務長官(当時)の国連演説を生放送で固唾を呑んで見ていた記憶があるが、聞きながらイラクが持っていると言われた「移動式細菌兵器製造工場」とされたトラックの話はあやしいなあ、と思っていた。この本では、イラクからドイツに亡命したたった一人(彼のコード名がカーブボール)の証言(それも後にウソと分かる)が、回りまわってアメリカの開戦理由となる様子を描いている。これは諜報の「失敗」なのだろうけど、それで殺された人達はたまったものではない。もっとも、ボブ・ウッドワードの本を読めば分かるが、イラク戦争を起こすのはアメリカにとって(というより、ブッシュ政権にとって)規定路線だった。その「理由付け」を探していたにすぎないのだけど。(それにしても、戦争にこういうことを言うのは適切ではないが、本末転倒とはこのことだ。)500ページを越える本だけど、あっという間に読めた。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:31:15