編集会議/『ノーカントリー』
午前中、早稲田大学にて予研=感染研裁判に関する本の編集会議。ほぼ原稿が出揃ったところで、多少の詰め。いくつか自分が思ったことを述べた。せっかく出すのだから、いい本になって欲しい、と思うから。
その後、事務所へ。昨日終わった、シネ・ヌーヴォの上映。最終的な入場者数を知る。何はともあれ、お世話になったので劇場に電話して、お礼のご挨拶。昨日、書き忘れたけど、見てくださった方々、ありがとうございました。
時間がうまくあったので、見逃していた『ノーカントリー』を新宿で見る。ある時期からコーエン兄弟の映画って見なくなっていたのだけど(特に理由はなし)今作は見たかった。うまく言い表す言葉が見つからないけど(いい、とも、おもしろいでも違う気がする)見てよかった映画でした。いろんなところで語られているように、主人公とも言うべき殺し屋が、もう、素晴らしい。ここまで不気味で目が離せない「悪人」はちょっと記憶にない。静かな語り口ながら緊張感が持続し目が離せない。アプローチは違うけれど、僕は見ながらクローネンバーグの『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を思い出していた。どうも、今のアメリカ映画は(クローネンバーグ本人はカナダ人だけど)、内なる得体の知れない暴力を描こうとしている映画が多数存在し、確かに今の時代に真摯に向き合おうとする映画人がいることを感じさせる。それに引き換え、今の日本はどうだろう。この映画、『ノーカントリー』だって、そう、バジェットがかかった映画には思えない。企画が通りにくい、というのは想像できるのだけど。