花見
朝帰ってきて、しばらく寝て、おもむろにむくっと起きだす。
午後、上野公園に行って花見。もうほとんど散っておりますが。花見と言ってもドンちゃん騒ぎをするでもなし、上野公園をぶらりと散歩、というほうが正確だろう。
とりあえず、初日があけて、やっと気が落ち着いたから桜を見る気にもなれたと言うか・・。
2日目の今日も気にはなるけど、毎日映画館に行くわけにはいかないし(まあ、もちろん毎日行ってもいいんだけど)、今日のところはのんびりしておこう。
2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。
朝帰ってきて、しばらく寝て、おもむろにむくっと起きだす。
午後、上野公園に行って花見。もうほとんど散っておりますが。花見と言ってもドンちゃん騒ぎをするでもなし、上野公園をぶらりと散歩、というほうが正確だろう。
とりあえず、初日があけて、やっと気が落ち着いたから桜を見る気にもなれたと言うか・・。
2日目の今日も気にはなるけど、毎日映画館に行くわけにはいかないし(まあ、もちろん毎日行ってもいいんだけど)、今日のところはのんびりしておこう。
すでに昨晩のことになりましたが、昨日、公開初日を迎えました。
満席でした。「うれしい」というよりは「ほっとした」というのが正直な感じでしょうか。(もちろん、うれしい、にきまってます。)ご来場いただいた方々、ありがとうございました。
一番後ろから立ってスクリーンを見ていました。上映後、拍手が起きたのがこれまたうれしかった・・・。
映画館を出た後、PHスタジオ、道面さん(中国新聞記者)、途中加わった村田真さん(美術ジャーナリスト)と朝4時まで痛飲。(と書きながら、僕はお酒が弱いので、途中からはウーロン茶ですが。)久しぶりの朝帰り。寒かったけど、どこか心地いい風。
今日は劇場に張り出すための、『船、山にのぼる』を紹介してくれた掲載物を模造紙に張っていった。手際よく、原田さんが選んでくれたので楽だった。思えば、はじめは劇場に張るほど紹介されないんじゃないか、と思っていたけど、それなりに多くの媒体が取り上げてくださった。今日も2件の問い合わせがあり、公開中にも出る雑誌・新聞がある。
掲示物をユーロスペースに届けて、とりあえず、準備完了。
いよいよ明日初日。思えば長かったような短かったような宣伝期間だった。やりきれなかったことも多々あるけれど、明日の初日を穏やかに迎えよう。
あれこれ細々とした用事をしていると時間があっという間に経ってしまう。
途中、用事があってPHスタジオに電話をしたら、なんと(昨日聞いていて忘れていた)彼らは広島県の灰塚にいた!なんでも急にアサヒビールの方が船を見たいという話になって、現地を案内していたのだ。船も無事だったそうです。
ついでに書くと、サプライズイベントは諸般の事情で延期になった。本当は映画上映前、上映中に企画していたのだけど、難しくなったみたい。(企画していたのは、映画にも出てくる灰塚神楽団の公演でした。でも、多分、そのうちやります。)
夕方、コバヤシ画廊にて美術ジャーナリストの村田真さんと待ち合わせ。昨日のトークイベントの時に急遽決まった。近くの喫茶店で、映画にしようと思った動悸などの取材を受けた。村田さんは北海道新聞に連載を持っておられるらしく、「船をつくる話」の記事を書かれるとのことでした。
帰り際思い出して、八重洲ブックセンターに寄る。映画を紹介しているはずの建築ジャーナルを買う。なかなかに厳しい批評。
一旦事務所に戻って、事務作業。プロデューサーの伏屋さんから電話。近況をお話しする。
原田さんに用事があって電話したら、なんとヤフーのエンタメコーナーのトップニュースが『船、山にのぼる』になっていることを教えてもらった。まあ、ネットニュースだから短い命でしたが、それでもえらく大きな扱いだったことはちょっと驚き。
夜、ユーロスペースに行って、「桃祭りpresents 真夜中の宴」を見る。9人の女性監督の短編集。壱の宴は見れなかったのだけど、今日から弐の宴初日。この間、『船、山にのぼる』を始め、旧作まで見てくれた、木村有理子さんの作品も上映されるとあっては駆けつけねばなりますまい。
まずは、満席の会場に、は~とため息。あさって、僕はこの同じ会場で満席に出来るだろうか。僕の頭の中は、失礼ながら自分のことで不安がよぎるのでありました。
それにしても、初日満席、というのはやはりいいもんですね。映画の興行は残酷な面もあって、初日の入りで残りの入りもほぼ見えてしまう。大体、最初よくて中だるみして最後にまた上がる、というのが通常のパターン。だから、最初が悪ければどんなにがんばったって、全体の数字が見えてくるのだ。僕は知った人が関わった映画で2本、ユーロスペースの初日、あまり入っていない光景を見たことがある。別に、宣伝をサボっていたわけじゃなくって、汗だくでやっていた。それでも入らなかった。初日がそういう状態だったから、やはり全体の入場者数は少なかった。また、ある作品では同じくユーロスペースで初日満席だと思ったら、やっぱりトータルで入っていた。だから、初日はとても大切なのです。(そう言えば、僕が始めて映画館で公開した『科学者として』は初日満席だった。あの感動は今でも忘れない。)
そんなわけで、たまたまこのブログを読んだ方、ぜひ、初日、あさって5日(土)に来てくださいね。
前置きが長くなった。今日上映されたのは5本。いずれも短編。まずは共通しているのは、女性監督、というだけではなく、さすが映画美学校で学んだだけあって、どの作品も技術がしっかりしていて、端正。もう一つの共通項はある喪失感みたいなものも。ただ題材、描き方はまるで違う。そこがまとめて上映する面白さなのだろう。
全作品の感想を書くと大変なので、さぼって、木村さんの作品だけ。『daughters』は、久しぶりに建築を感じる作品だった。家が舞台、というだけならよくある話だけど、きちんと家を機能させる映画というのは意外と少ないのだ。自然光を生かした撮影にも好感が持てた。さらに、スタンダードの構図も効果的。僕は、個人的には「三角関係」の話って好きではないのだけど、見せられてしまったのは上記のようなことがあるからだと思う。
帰り際、ユーロスペースの北條さん、岡崎さんに「あさってよろしくお願いします」と挨拶しつつ、宣伝の原田さんと「あさって大丈夫かなあ」と言いながら渋谷駅で別れた。
なぜか映画館でトークショーをしている夢を見て、寝苦しくて朝早く眼が覚めてしまった。もっとも、猫が乗っかってたから寝苦しかっただけなのかもしれないけど。
早く起きてしまったからネットを見ていたら、artscapeの学芸員レポートで東京都現代美術館学芸員の住友文彦さんが『船、山にのぼる』の映評を書いてくださっているのをみつけた。とても深く書いてくださっていて、とてもありがたかった。
10時前にユーロスペースがあるQ-AXビルに行く。前でたたずんでいると、そうだ、ここで『靖国』が公開されるはずだったんだ、とあらためて思う。劇場は違うけど、ほぼ同じ時期の公開なのも、以前、一緒に仕事をしていた李纓さんとの不思議な縁も感じていただけに、残念な思いがつのる。
音響構成をお願いした米山靖さんに来ていただいて、ユーロスペースで映写チェック。大きな画面で見ると、いくつか気になることがあったので、色調、シャープネスなどを微調整。音の方も米山さんに聞いてもらって高低の調整、音量の調整。音が気になる箇所をチェック。なんとか大丈夫、と思う。米山さんに来ていただいて助かった。
その後、事務所にて諸々の事務作業。そうすると猛烈に眠気が・・。
夜、ヒルサイドに行って、トークイベント”「工事中」後の24年”を聞く。川俣正さんの伝説的なアートプロジェクト「工事中」の話は読んだことがあったから、川俣さん本人から話が聞けて面白かった。そして、このときプロジェクトは「+PHスタジオ」と名前がついたものでもあったので、池田修さんが今日はPHスタジオとしての当時の話を。ヒルサイドのお店に客が来なくなり、展覧会が「中止」に追い込まれたが継続した、という話を面白おかしく語っておられたけど、(確かにやってて楽しいと思う)こういうめちゃくちゃさはやはりすごい、と思う。最近、そういうアーティストってあまり聞かないような気がしたり・・。池田さんが映画のことを宣伝してくださり、感謝。コメントをいただいた北川フラムさん、パンフに執筆いただいた村田真さんにお礼のご挨拶。皆さん、映画の公開は大丈夫でしょ、と言ってくださるが、こればっかりはふたを開けてみないとわからないから・・・。
今日、「月刊あいだ」が届いた。筆が走りすぎて(キーボード叩きながらこういう慣用句も変な感じだけど)あれこれ映画のことを書いてしまったら6ページにもなっていた。よかったのかな、と思っていたら池田さんも喜んでくださっていたので、ほっとする。「月刊ギャラリー」にも映画を紹介していただく。書いてくださったのは斉藤博美さんで、2003年に福山からレンタカーで灰塚まで乗せていただいたことがある。
公開まであと3日。
今日はいくつかの雑誌・新聞に映画が紹介された。(はず。)東京新聞夕刊では、写真もカラーで比較的大きく扱ってもらえた。雑誌2誌も載ったはずなのだけど、僕自身はまだ見ていない。新聞はあと4紙出るはずだけど、こればっかりは掲載されるまで分からないからなあ。公開中に取り上げてくれる雑誌からも連絡があった。少しでも多くの人に伝わることを願う。
大阪公開用のチラシを印刷するため、データを入稿。トークショー告知用のチラシを印刷。相変わらず、こまごまとしたことは続く。
明日はユーロスペースで映写チェック。
今週末の公開、という実感がわかない。というより、もう公開か、という感じだろうか。楽しみ半分、不安半分、なんだか地に足が着いてない、ふわふわした変な感触。
本当は映画を見てもらえる、と思えば楽しくてしょうがないはずなんですけどね。