2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/4/23 水曜日

『ビルマ、パゴダの影で』/パンフ/『コミュニストはSEXがお上手?』

朝起きると、体がいたい。寝違えたのだろうか。どうも最近、何をしているわけではないのだが、疲れている。なぜだろう。

昼頃、『ビルマ、パゴダの影で』というドキュメンタリー映画を見る。最近の弾圧報道なので知られる通り、ビルマ(日本ではミャンマーと呼ぶ)は軍政。その抑圧的な状況を描く映画。予告編を見る限り、ビルマ潜入取材、という趣だったのだが違った。いや、ビルマ国内でまともに取材出来ないことがあの国の実情を表しているのだろう。多くは、タイなどの国境に逃れてきた難民たちの映像。確かに、こうした難民の実態はなかなか伝わってこなかった。特に、目の前で親を殺された子ども達の暗い目に胸をふさがれる思い。この目を見るためだけでも意味はある。ただ、欲を言えば、丁寧な取材であるからこそ、少しきれいすぎて、破綻もなく、まとめすぎた感もある。

その後、事務所に行くと、ユーロスペースから留守電が。何事かとぎょっとしたのだが、パンフレットがなくなりそうだ、とのこと。なかなか売れないだろうなと思いつつ送っていた部数がなくなりそう、ということは結構見た人が買ってくれた、ということだ。ありがたい。慌てて、追加分を送っておく。

昨日に続いて、2館にアプローチ。DVDと資料を送っておく。

夜は、『コミュニストはSEXがお上手?』という、これまたドキュメンタリー映画の試写会に行く。今や『船、山にのぼる』の宣伝を離れ、3本(そういえば全部ドキュメンタリーだなあ)もこれから公開される映画の宣伝をしている原田さんがこの映画も宣伝。昨年の山形映画祭でも上映していたらしいのだが、全くノーチェックだった。で、摩訶不思議なタイトルは何かと言うと、冷戦時代の東西ドイツのSEX事情を比較・考察したもの。予想に反して社会主義国であった東ドイツの方が性に関しては進んでいた、という話。アニメがふんだんに出てきて、面白く見れるようにはなっているけど、いたって真面目な映画。特に驚くのが、東ドイツで製作された性教育映画。いかに気合を入れて作っていたかがいっぱつで分かる。トリビアの泉風に言えば「へぇ~」満載のドキュメンタリー。ただ残念なのは、この題材だともっと面白くなると思うけどね。6月ユーロスペースで公開。

自分の公開はあと2日。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:18:25

全国上映/『接吻』

今日も昨日に引き続いて、全国のミニシアターに”営業”。全国、と言っても、真にインディペンデントな劇場は、それほど多くない。加えて、こちらは35mmフィルムを作っていないから、かけられる劇場も限られてしまう。それでも、チャンスが少しでもあるなら、やはり多くの映画館で上映したいのが心情というもの。幸い支配人の方と話をすると、映画自体のことは知ってくれている方がほとんどだったので、DVDやパンフレットなどをとりあえずお送りする。どうなりますか・・・。

夜、ユーロスペースへ。『接吻』を見るためだったのだけど、当然、横では『船、山にのぼる』をやっているわけで、横目で入場者数をついつい見てしまう。今週は最終週だけあって、それなりに人は来ている。残り3日。

さて、その『接吻』。あちこちから好評が聞こえてくるから気になっていたのだけど、自分の公開前にはしんどそうなので、今日になった。演出、役者の演技、申し分なし。久しぶりに映画の「強度」を感じさせてくれる映画だった。だけど僕は傑作とは言いたくない。理由は下世話なもんで、主人公に感情移入できなかった点。その理由にもなるのだけど、どうしても小池栄子(演技としては驚嘆すべき演技)が「阻害」されてきたキャラクターに見えなかったのだ。じゃあ、いかにも、な人・感じでやったとしても、それはそれでつまらないだろうし、ほんと映画は難しい。驚愕のラスト、なんて煽ってましたが、まあ、大体思ったラストでした、というより展開からいったら、そうなるよね、という感じ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:53:40