2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/4/17 木曜日

『モンゴル』

「映画見たおし」と言いながら、今日もひよって(?)1本映画を見た。加えて、遠出する気にもならず、歩いていける錦糸町にて。

見たのは『モンゴル』。どうにもこうにも消化不良。浅野忠信はいい役者だと思っているのだけど、今作ではあまり魅力的に思えず。あまり、こうした”ヒーロー”的な役は似合わないと思うのだけど。もっとも、一向に熱くならない映画だから抜擢されたのかもしれず、不可解。モンゴルの自然は確かに美しいのだけど、これでもか、と見せられるともうおなか一杯。チンギス・ハーンの青年時代を描く、のはまあ、いいとして、一番面白そうな、リーダーとしてのし上がっていく過程を完全にすっ飛ばすというのはどうしたもんだろう。

どうも今日は気分が下降線。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:43:58

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』/会議

今週は映画見たおし週間。

そんなわけで、今日見たのは『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』。映画館は団塊の世代と思しき世代で熱気むんむん。若者でもない私のような中途半端な世代はさらに少数。あさま山荘事件自体、僕は4歳でまるで記憶ナシ。必要に迫られて、新左翼史ぐらいは読んでいるけれど。

僕は映画を見ながら、久しぶりにこんなお尻がもぞもぞする、座り心地が悪い思いをした。普通、こう書くと、ダメなパターンなのだけど、事実は逆で、画面に圧倒され、何度もすごい、とつぶやいていた。だからこそ、映画の中で展開される話の凄惨さ、やりきれなさにどうしようもない焦燥感を持ったのだ。特に、山岳アジトに行ってからの総括という名のリンチにおいて。なんて彼らは真面目だったのだろう。真面目すぎたのだろう。「共産主義化」「総括」「自己批判」という言葉がまるで何かの呪文のように響き始める不気味さ。もっとも、僕は「個人の共産主義化」が何を指すのかよく分からなかったのだけど。もう一つ、この辺の話を聞くたびにいまだによく分からないのは、「武装革命」を本当にこのレベルでやれると思っていたのだろうか、という疑問。しかしながら、この映画は間違いなく、苦い苦い青春映画。役者もよくがんばっていた、と思う。撮影、演出も気をてらっていない、直球勝負。だから、とんでもなく力作。だけれども、傑作と言うには何かためらいを覚え、そのためらいは何なのか、ちょっと考えてしまうのだけど。

夜、VIDEO ACT!の会議。今年10周年なので何か出来たら良いな、と思っている。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:48:08