2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2008/1/30 水曜日

原稿校正/『ジャーマン+雨』

自宅に速達が届いたので何かと思えば、昨年12月、龍谷大学で行われたシンポジウムを採録した原稿だった。学部で発行しているジャーナルに掲載するために、校正が必要だとか。

あらためて自分がしゃべったことを読み直すのは結構、恥ずかしい。僕は学者でも先生でもないから、思いつきであれこれしゃべっている。まあ、間違ったことは言っていないと思うけど、役に立つのかどうかは分からないなあ。ともあれ、こういう原稿の校正というのはそれなりに時間がかかるものです。

原田さんと少し打ち合わせ。やらなくちゃならないことが色々あるなあ。

夜、ユーロスペースへ。僕のほうのチラシがなくなったので、劇場にまだある分をもらってくるため。とりあえず、1000枚ほどもらう。

で、ついでに映画を見る。見たのは『ジャーマン+雨』。なのだけど、映画を見る前にロビーや劇場内が気にかかる。チラシをとってくれるだろうか、とか。休憩中に熱心にチラシを読んでいる人を見つけると、ついうれしくなる。(まあ、そのまま映画を見に来てくれるとは限らないけどさ。でも、チラシを無視されるよりはいい。)

映画が始まる前にユーロスペースのラインナップの予告編を見る。こちらも早くかけないとなあ。

さて、その映画。好きか嫌いかといえば、好き。面白いか面白くないかといえば、面白い。じゃあ、とても面白いかといえば、微妙、というのが僕の感想。予告編などを見た時にはもっと勝手にもっと破壊的な映画なのかと思っていたのだけど、オフビートな映画だった。そして僕にはオフビートのビートがちょっと合わなかったのだと思う。それでも、ラスト10分はきりきりと切なく、いい。いや、間違いなく名シーン。そして見ながら思ったのは、どんな映画にも似ていない、本当にオリジナルな映画だなあ、ということ。(撮り方とかは逆にオーソドックスな部分が多い。)それはやはりすごいことですけどね。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:24:09

2008/1/29 火曜日

『パレスチナ1948 NAKBAナクバ』/広島ゆめてらす/建築の記憶

昼過ぎに『パレスチナ1948 NAKBAナクバ』の試写会に行く。原田さんが宣伝のお手伝いをしているというのもあるけど、監督の広河隆一さんは写真家として有名であり、僕も前にブログで書いたように、広河さんの写真・文が『科学者として』を作る大きなきっかけにもなった方だ。だから見たいと思っていた映画であった。

映画はかつて広河さんが暮らしていたイスラエルのキブツ(集団農場)を再訪するところから始まる。広河さんがパレスチナを取材し続けるきっかけが描かれる。このドキュメンタリー映画はパレスチナを描いた重量級の映画になっていた。なぜなら、広河さんは40年も写真・映像で記録し続けてきたから、その重みたるや半端ではない。そういうことは大前提で、僕は見ながらずれたことを考え続けていた。それは、この映画は「故郷喪失者」の映画なのではないのか、と。「パレスチナ問題の映画」であることは当然なのだが、こう語ってしまうと日本では「政治映画」と思われてしまうかもしれない。意外だったのだが、この映画には「占領」に反対するユダヤ人や事実を直視するユダヤ人の歴史家、分け隔てなく医療支援を行うユダヤ人なども出てくる。大きな意味で、イスラエルを建国したユダヤ人も「故郷喪失者」と言えなくはなく、そのユダヤ人が「占領」という形でパレスチナ人の多くを「故郷喪失者」にしてしまった。そして、村を破壊された人々(たとえイスラエルに住んでいても村を訪れることすら許されない)が語る、かつての生活や村の様子、虐殺・破壊、そして望郷の念は胸を打つ。と同時に、あえて乱暴な言い方をすれば、「故郷喪失」の感覚は遠くパレスチナだけにあるのではなく、僕たちの身近にも、さすがに虐殺はないとは言え(そこが決定的な違いだ、と言われればそれまでだけど)、親しんだ場所が破壊される感覚は地続きかもしれない、と思ったのだ。この映画は多分、パレスチナや国際情勢、あるいはジャーナリズムに興味がある多くの観客を集めるだろう。でも、それだけではもったいない、と僕は思う。自分の身近な大切な人、もの、場所を無くした経験があるいろんな人にも見て欲しい、と、そんなことを思ったのだ。

試写会の後、フィルムセンターにチラシを預ける。さらに、虎ノ門にある広島県東京事務所へ。受付で映画の内容を説明したら、さすがに灰塚アースワークプロジェクトのことはご存知で、なんとか交渉して、新宿にある”広島ゆめてらす”にチラシを置いていただけることになった。

手持ちのチラシが少し余ったので、予定を変更して、白金台の東京都庭園美術館に行くことにした。最近、ここのチラシを見て「建築の記憶 -写真と建築の近現代-」という展覧会がとても面白そうだったのだ。そして、これがすこぶる面白かった。写真史と建築史が並行して見えるような内容で大満足。チラシも無事置かせてもらえました。

一回事務所に戻って、電話で原田さんと打ち合わせ。いくつか雑誌が映画を取り上げてくれることになって、まずはほっとする。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:31:12

2008/1/28 月曜日

予告編完成/パンフレット

今日、情報が届いたので修正した予告編を見る。これで完成!になりました。編集の秦さんにはあれこれ注文をつけてしまいましたが、出来てみると、最初からこういう予告編になるべくしてなったようで、不思議なものです。秦さん、ありがとうございました。もっとも、これからフィルム化の作業があるので、映画館でかかるにはもうしばらくかかると思う。(映画館と言っても、多分、ユーロスペースだけだけど。それでも約2ヶ月は流せそうだ。)ホームページでは近日中にアップできると思います。

映画の公開と言えばパンフレット。まだ諸般の事情で結論は出してないのだけど、多分、自分たちで作ることになるでしょう。ここ数日、内容を考えたりしていて、ちょっと楽しい。もっとも、実際作るとなると締め切りだのなんだので大変ではあるのだけど。

事務所に行ったものの、突然、手持ち無沙汰になって、やることはいっぱいあるはずなのだけど、今すぐ出来ることもなく、ぽかんと空いてしまった。こういう時はちと困る。(やることをさぼってるだけ、なのかもしれない。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:01:40

2008/1/27 日曜日

会議など

今日は用事があったので出かける。その用事に前に新宿でいくつかチラシ撒き。

まず、模索舎へ。あらゆるミニコミ紙・機関紙などを扱う小さいながら貴重な本屋。もっとも、以前はもっと政治的な匂いがしていたけど、少し店の雰囲気も変わった。かつては大学の先輩が店長をやってた時代もあったり・・。チラシを置いてもらう。(前は店頭につるしていたけど、最近はレジ前の棚に置くようになっていた。)

次はアース・ビジョン地球環境映像祭の定期上映会が新宿御苑であったので、チラシを置かせてもらいに行く。今日は内容的にとても興味がある作品だったのだけど、どうしても用事の時間と重なってしまっていて、見ることかなわず。こんな時にチラシだけ置かせてもらうのは心苦しいのだけど・・・・。

新宿でもう一箇所チラシを置いてから、東北沢へ。月に一度のバイオハザード予防市民センターの幹事会。代表幹事の本庄先生は先日の試写に来てくださり、今日も前売り券を3枚買ってくださった。ありがたい。会議のほうはいつものように頭を使う話も多く、僕自身もやらなければいけないことが多いなあ、とあらためて思う。

帰り際には下北沢に足を伸ばして、シネマアートン下北沢で前売り券を扱ってもらうように交渉。ここも扱ってくれることに。これで一応、ユーロスペースからバーターで配券していない映画館で気になったところは回ったことに。1つの映画館では微々たる枚数だし、正直、全部売れるとは思わないけど(そりゃあ、売れて欲しいけど)、映画を知ってもらうチャンスにはなるかなあ、とは思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:15:40

2008/1/26 土曜日

爆睡/『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』

今日は久しぶりに予定もないので、お休みだ、と思ったら本当におやすみして爆睡してしまった。別に疲れてたわけではないと思うけど・・。

それでも昼過ぎには出かけて行って、映画を見た。見たのは『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』。こういういかにも「若者向け」映画をなんで見たかと言えば、予告編が面白そうで、何かありそうだと思ったのだけど、まあ、別に何もなかった。もっとも、主演の関めぐみはよくて、アクションシーンもよく出来ていた。惜しむらくは、アクションシーンがうまく「青春映画」に回収できていない気がするのだ。もしくは、回収しきれない物語でもいいのだけど、中途半端に回収された気がする。そこがミソの映画だと思ってたんだけどなあ。原作は知りませんけど。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:53:40

2008/1/25 金曜日

なんだか空回り

午前中、昨日の試写に来てくれた知人に前売り券を売ってもらえないか打診する。ほとんど押し売りみたいで我ながらあまりいい気はしないものの、そこはぐっとこらえて厚かましくいく。本当はもっともっとやらないと、前売り券なんて売れやしない。

新宿にある広島県の物産館にチラシをおいてもらおうと思って行ったのだけど、県の東京事務所を通して欲しいとのことだったので、来週行ってみよう。

事務所に行って原田さんと打ち合わせ。いくつかよさげな話もある。プロデューサーの伏屋さんに電話。近況報告。久しぶりに会おうと思ったが多忙のよう。また連絡することに。

しばし時間が空いてしまったので、この間行っていなかった、六本木方面にチラシを撒きに行く。正直、あんまり芳しくはなかった。ただ、青山ブックセンターに行ってみたら、入り口の目立つところにチラシが置いてあったので安心。どうも、ユーロスペースが配ってるみたいですね。(他の映画もありましたので。)

なんだかちょっと空回りが多かったなあ。こういう時は少し焦る。なんだかんだと公開まで2ヶ月ちょっと。まだ2ヶ月ある、と思うか、もう2ヶ月しかない、と思うかで大違い。う~ん、心情的にはどっちとも言えないなあ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:38:10

2008/1/24 木曜日

試写会

今まで3回試写会をやってきて、今日が4回目。後半戦に突入、といったところでしょうか。

少し早めに着いてしまったので、銀座テアトルシネマに行って、前売り券を扱ってもらうよう、交渉。映画館で売ってもらえることになりました。また、チラシがちょうどなくなっていたので(昨日の劇場と違って、ここでははけたということなのでしょうか)追加で200枚ほど置いてもらう。

コピー屋で試写会で配るプレスシートをコピー。数十部作るとコピー代もばかにならない。

用事は済んだのだが、それでも試写の時間にはまだ早い。緊張していたせいか、えらく早く来てしまったみたい。映画美学校のロビーでぼんやりとやり過ごす。

地下の第2試写室では前の映画が終わったところ。前の映画もユーロスペースで公開される映画で、主演の某女優も来ておりました。

今日は原田さんが別の映画の試写があるので、遅れるとのことで試写受付をいつもより緊張して始める。(僕一人しかいないので。)これまでより出足がよくて、始まる頃にはほぼ満席になっておりました。知った方も何人か来てくださった。

上映中に、隣のビルにあるパイオニア映画シネマデスクという所へ行って、前売り券の配券をお願いする。計500枚。

試写会終了後、なんだか熱気がある、と思ったのは製作者の勝手な願望でしょうか。何か、何かにつながっていって欲しい、とは思います。

その後、ドキュメンタリー映画『バックドロップ・クルディスタン』のプロデューサー大澤一生さんと原田さんで喫茶店でお話。この映画、僕も昨年山形国際ドキュメンタリー映画祭で見て、とても面白くてそして唯一泣けた、胸が熱くなった映画でした。市民賞をとったのも納得、最近では毎日映画コンクールのドキュメンタリー賞もとっている。内容は簡単に言うと、日本に来ていたクルド難民が国外強制退去となり、監督の野本さんは後日、クルド人のことを知るためトルコを旅する、という青春ロードムービーでもある。こんなに面白いし、賞もとったし、すぐにでも映画館で公開が決まるのだろうな、と漠然と思っていたら、なかなか難航しているという話がどこかから聞こえてきた。そうしたら、ポレポレ東中野での公開が決まった、と昨日聞いたばっかり。映画館での公開も自主配給という道を選んだようで、僕の経験でも何か役に立つかなあと思って大澤さんと会った次第。僕は偉そうに好き勝手にあれこれ言ってしまったのだけど、僕はこの映画に絶対成功して欲しいと思っている。

もっとも今は人の心配をしている場合ではないのだけど。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:06:16

2008/1/23 水曜日

『ジプシーキャラバン』/予告編打ち合わせ

東京は今日は朝から雪。こんな日は外に出るのが億劫になるのだけど、映画脳が活性化しているせいもあって、どうしても映画を見たくなってしまったのだった。

見に行った映画は『ジプシーキャラバン』。近年、本当にやたらと音楽もののドキュメンタリー映画が多くて、とても追いつけない。よく考えてみたら、ロックものはほとんど見てないなあ。などと思いつつ、雪が降ってるから人も少ないだろう、なんて思っていたら1000円の日だったせいか、ほぼ8割の入り。午前11:15からこんなにも入っているなんてちょっと驚きでした。(年齢層は比較的高かった。)ロビーで『船、山にのぼる』のチラシがあることを確認。こうして映画館で確認するのも仕事と言えば仕事(と言い訳。)

さて、この映画はロマ(ジプシー)の4つの国の5つのバンドがアメリカをツアーするドキュメンタリー。とは言っても、各々のバンドの現地の様子も随所に描かれる。この構成が曲者で、確かにジプシー音楽の背景はよく伝わってくるものの、コンサートシーンが結構短くぶつ切れで、「もっとコンサートシーンを見せてくれ」と何度も思う。後半になると長く見せるシーンも増えてきて、あるいは慣れてきて、多少、気にならなくなるのだけど。もっとも、音楽ドキュメンタリーのここが難しいところで、コンサートを見せるだけならはたしてドキュメンタリー「映画」と言えるのか、という問題もあって、その辺の按配はまことに難しい。感じ方は人によって違うだろうし。少なくとも出てくるバンドはどれも素晴らしくて、だからこそ演奏をもっと見せてくれ、と思ってしまったのだった。そういえば、山形映画祭でもやって、後に劇場公開・DVD発売もされた『炎のジプシーブラス』は面白かったなあ。そうそう、ほぼ演奏シーンのみでも破格に面白かったのは、『不滅の男 エンケンVS武道館』なんてのもありました。(ああ、他にも出てきそう・・。)僕自身は、学生時代しばらくコンサートのビデオ撮影をやっていたけど、最近はほとんどやってない。音楽もののドキュメンタリー映画を作る、のは興味ありますけど。

その後、渋谷界隈のCDショップ、本屋にチラシを置いてもらい、アップリンクファクトリー(そういえば上記の映画もアップリンク配給だった。)で前売り券を売ってもらえるように納入。

夕方4時からはユーロスペースにて打ち合わせ。現状報告の後、製作中の予告編を北條さんに見てもらう。方向性はいいということで、多少カットを外して短くすればこれでいけそうだ。思えば編集の秦さんにはあれこれ変更をお願いして、何度もやり直してもらった。でも、その分、いい予告編になった、と僕は思ってます。(ホームページでの公開はしばしお待ちください。)

こうしていろんな人の手を借りながらなんとか前に進んでいくのです。

未分類 — text by 本田孝義 @ 21:30:18

2008/1/22 火曜日

映画脳/前売り券/『Mr.ビーン』

昨日久しぶりに映画館に行ったせいか、頭の中の「映画脳」が活性化し始めたようで、仕事をさぼって映画館に行きたい気持ちがふつふつと・・・。。

と、今日はポレポレ東中野とアテネフランセ文化センターに前売り券を扱ってもらうよう、預けてきた。少しでも売れればいいのだが・・・。

だかど、早めに仕事を切り上げて(さぼって?)映画館へ行ってしまった。ああ、こんなことでいいのだろうか・・。

夜、見た映画は『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』。なんとなく軽い映画が見たいなあ、というのと時間がどんぴしゃで合ったのだ。僕はビーンのファンではないのだけど、なぜかこの映画は気になった。おまけに、キネマ旬報でかの滝本誠が「傑作」なんて書いていれば、見るしかない。で、映画は面白かった。傑作とは思わないけど、フランスの風景、建築、町並みがスタイリッシュだったのがちょっとびっくり。元々ほとんどしゃべらず、しぐさで笑わせるキャラクターとは言え(その笑いは僕には爆笑とはならなかった)約90分を見せきるのは並大抵ではない。支えているのは意外と端正な映像だと思った。ラストのカンヌ映画祭のシーンは、ウィレム・デフォー扮する映画監督兼主演の映画のナルシストぶりがおかしい。ただ、最後のビデオ上映はありえない、と思うけど・・。(まあ、技術的には出来ることだけど、そういう用意がある映写室、というのはなさそうだ・・・。)

そんなこんなで、少し気が緩んでいる自分でした。

本当は一生懸命、前売り券を売らなきゃいけないのだけど・・・。

未分類 — text by 本田孝義 @ 22:42:12

2008/1/21 月曜日

予告編/試写状/『アース』

予告編がほぼ完成に近づいた、と思う。ユーロスペースにも確認してもらうことに。もっとも、2分の予告編とはいえ、35mm(ヴィスタサイズ)フィルム4本を作らなければいけないので、キネコの作業が待っているし、正直、制作費がそれなりにかかることになる。

事務所に行って、原田さんと今後のことを少し打ち合わせ。

さらに試写状を85枚追加で出す。

今日はどうにも久しぶりに(なにせ今年になってから映画館に行っていない・・・)映画館に行きたい気持ちが強くなって、早めに事務所を出てしまった。

見た映画は『アース』。CMもガンガン流れていた通り、ネイチャー・ドキュメンタリー。そして、昨週は全国の興行収入が1位となっていた。これは快挙だと思う。僕の知る限りでは、ドキュメンタリー映画が1位になったことはないのではないか。(随分前なら、『東京オリンピック』が1位だったことがあるような気がする。)『ディープ・ブルー』が予想以上にヒットしたこともあって、配給会社もかなり冒険したような気がする。その思惑は見事にあたった、と言えるのだろう。

さて、その中身。僕は結構、最近のネイチャーもののドキュメンタリー映画を好きで見てきた。また、音楽だけで構成された映像詩『バラカ』なども好きだったりする。この『アース』は、日本語吹き替え版で見たのだけど、ナレーションは渡辺謙。これが安定感があっていい。そして、最高度の映像技術を駆使した自然の撮影がさすがに美しい。特に、空から撮った映像がこの映画の肝。かなり高度から超防振機材で撮ったと思われるが、それにしても迫力ある映像が続出する。微速度撮影の映像も素晴らしい。多分、ネイチャーもののドキュメンタリー映画としては当分、この映画が最高峰になるのではないか。では、傑作かと言われると、ちょっと迷うところがある。何かが足りなくて、胸を打つ部分がもうちょっと欲しかった、というか。(何かというのが、まだ分からないのだけど・・。)もっとも、今この映画を見れる子どもたちは幸福だと思う。

ネイチャーもののドキュメンタリー映画がヒットしているのだから、日本のネイチャーもののドキュメンタリー映画の老舗、群像舎の作品なども注目されるといいんだけどなあ。

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:12:37

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