2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

2007/12/26 水曜日

ギャラリーめぐり/最高裁

午前中、いくつかチラシ・資料を送らなければいけないところがあって、挨拶文を書いたりしていたら手間取ってしまった。

と思ったら、岡山の山陽新聞の記者から問い合わせ・取材が入った。

さあ、出かけようと思ったら、残念な、と同時に怒りを覚えるニュースが飛び込んできた。電話の主は新井秀雄さんだった。新井さんは僕の前々作「科学者として」の主人公であり、映画公開と同時に本を出版された。そして、本を取り上げた週刊誌の取材を受けた。そしたら、その内容の一部に対して、「事実を歪曲」「幹部職員を誹謗中傷」したとして処分を受けてしまった。そして2001年1月25日、その処分撤回を求めて裁判を提訴。1審2審敗訴。2006年9月に最高裁に上告していたのだが、昨日、その最高裁の判断が出た、ということだった。上告棄却。内部からの批判は許されない、ということのようだ。時代と逆行している。僕は、新井さんが裁判を提訴した時から、新井秀雄さんを支える会の事務局長として活動してきた。だから決定を受けて真っ先に頭に浮かんだのは、とにかく会員の方に知らせねば、ということだった。その先には、会のあり方も考えないといけなくなるだろう。僕の中では映画は終わっていなかったのだ。ただ、『続・科学者として』を作ると言いながら、結局形にならなかった(ごく短い3分のものはVIDEO ACT!企画の『自由不平等』に収録されている。)のがなんとも心苦しい。

そんなことを思いながら、とにかく今日もいくつかチラシを配りに行く。ショップめぐりを変更して今日はギャラリーめぐり。僕は錦糸町に住んでいるのだけど、地下鉄に2駅ばかし乗ると、実は個性的なギャラリーがいくつもあるのだった。倉庫を改造したギャラリーも多い。今日行ったのは、いくつものギャラリーが入っているビル。年末のせいか展示替え中のところもあったけど、SHUGOARTSで森村泰昌の新作が見れたのはよかった。実在の人物に扮したシリーズもちょっとすごい。1階受付にてチラシを渡す。

次はどうしようかと思いつつ、がんばれば歩けると思い、東京都現代美術館へ。「アートとデザインの遺伝子を組み替える」という企画展を見る。あまりピンとこなかったのだけど、いいな、と思う作品があって、誰だろうと思ったら妹島和世+西澤立衛だった。さすが。常設展示で展示中の岡本太郎の「明日の神話」には度肝を抜かれた。予想通り、チラシはあんまり置かせてもらえなかった。(別のルートなら違ったのだろうけど。)

次に行ったのは、タマダプロジェクトというギャラリー。会期が終わっているのに展示を見せてもらった。何か独り占めのようで妙な気分。またまたチラシを手渡す。

こうして書くと、単なるギャラリーめぐりですね。

今日はBankARTからのダイレクトメールが届いていた。いつかなとちょっと心配していたのだけど、無事に。多くの方がチラシを目にしてくれますように。(本当はその先に、映画館へ来てくれますように、となるのだけど、ますは入り口。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:45:11