「映/画、黒片」
滝本誠の新著「映/画、黒片」を読み終わった。滝本誠さんの文章が好きで、映画評論集を続けて読んでいる数少ない映画評論家。映画を語りながら、美術・小説・音楽と横滑りしていくところが好きだ。新刊のタイトル「黒片」は黒=ノワール、片=映画、ということでフィルムノワールのことになる。以前の書「渋く、薄汚れ」(このタイトルもカッコいい)は比較的古い作品も多く取り上げていたが、新刊では最近の作品が中心。単純にフィルムノワール・ジャンルの映画だけではなく、取り上げている映画はもっと幅広い。舐めるように見る、という言葉があるが、滝本さんはまさに「舐めるように映画を見て、舐めるように映画を語る」という気がする。それにしても、1本の映画から湧き上がる妄想力にこちらも妄想を膨らませる。
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