石川真生写真展
今日は夕方から、「石川真生写真展」に行ってきた。まずは、広尾の”TOKIO OUT OF PLACE“に行って、セルフポートレイトと日の丸を視る目を見る。セルフポートレイトは最近、石川さんが始めたシリーズで、携帯で自分自身や友人や家族などを撮影した作品。言わばスナップなのだけど、その身軽さの中にもなんとも言えないエネルギーがある。特に、大腸がんを発症してからつけることになった、人工肛門までをも晒した裸身は凄味がある。対して「日の丸を視る目」のシリーズは、いろんな人に日の丸を使って自己表現をしてもらったシリーズ。「国」に対するいろんな距離感が表現されていて面白い。次にバスで渋谷に移動。ZEN POTO GALLERYに行く。真生さんがいたので早速ご挨拶。こちらでは、「Life in Philly」 と「熱き日々 in キャンプハンセン」の展示。「熱き日々inキャンプハンセン」は石川さんのデビュー作。僕もすごく好きな作品。バーで働く女性たちのかっこよさ、黒人たちのかっこよさ、ったらない。実はこの作品を見れるのは極めて貴重な機会。事情は石川さんの自伝「沖縄ソウル」に詳しい。「Life in Philly」のPhillyはフィラデルフィアの愛称。石川さんは沖縄の写真が圧倒的に多いのだけど、本作は例外的に海外で撮影されたもの。と言っても、きっかけは沖縄で知り合った黒人米兵の故郷を訪ねて約2ヵ月間撮影したそうだ。とにかく、黒人たちの生活が濃厚で圧倒されっぱなし。撮影されたのは1986年だけど、今年ついに写真集が発売。これがとてもいい写真集で、編集のセンスが抜群。お勧め。今日は文化人類学者の今福龍太さんとの対談も。今福さんなりの視点も新鮮だった。僕はいつも石川さんの写真を見て自分にやる気が湧いてくるのを感じる。もちろん、石川さん自身もパワフルなのだけど、写真には生きる力がみなぎっているから、僕ももし自分を表現者だとするなら、僕もやらなきゃな、と思わされるのだった。
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