『石井輝男映画魂』/『鉄男』
試写で『石井輝男映画魂』というドキュメンタリー映画を見た。僕は石井輝男監督の作品をあまり見ていない。そんな人間がこういうドキュメンタリーを見るのも変な話かもしれないが、だからこそ興味もあった。石井輝男監督と言えば、『網走番外地』シリーズが有名だが僕らの世代ではしばらく映画を撮っていなかった後に復活してからの晩年(2005年に亡くなられた)がリアルタイムかもしれない。このドキュメンタリーでは『無頼平野』のメイキング映像がかなり使われている。他にはゆかりある方々へのインタビュー。中には声だけで丹波哲郎の話も出てくる。本作は8月7日からユーロスペースで公開だが、7月31日からはその上にあるシネマヴェーラで30本監督作が公開されるそうだ。
その後、珍しく映画のはしご。レイトショーで『鉄男 The Bullet Man』を見た。1作目の『鉄男』を見たのが学生時代。随分月日は経つ。今日見たテアトル新宿も爆音上映。ノイズ音楽が気もちいい。ストーリーはシンプル。映像は相変わらず手作り感がたっぷりだし、初期衝動に忠実なカメラのぶれも変わっていなかった。そこは良かった。のだけど、少し不満も。まず一つは、トランスフォームして大体3つの形態になる主人公=鉄男だが、2つ目の形態がどうにもかっこ悪く見えた。多分、多少の気持ち悪さを狙ったのだと思うのだけど、あまりいいデザインには思えなかった。また、鉄男への変身が前はもっとしつこく、鉄が飛び出してくるような印象があったのだけど、意外とあっさりしていたようにも思う。そして、ラストのバトルが狭い空間(室内からビルの谷間)で行われていて、心の中で「東京を走り回ってくれ!」と思っていたのだけど、それはついにかなえられなくて少し残念。
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