『朱鷺島』
今日は試写会で三宅流監督作『朱鷺島―創作能「トキ」の誕生』を見た。僕の記憶に間違いがなければ、監督の三宅さんには昨年の山形映画祭でお会いした、はず。(残念ながらその時は時間が合わず、上映作は見れなかった。)そのせいか、試写状をわざわざ送ってくれたようだ。何度か書いているように、僕の大学時代の専攻は能。ただし、不勉強極まりなく、いい加減にしか勉強していない。だから創作能のドキュメンタリーとあって、興味を持った。映画は観世流能楽師の津村禮次郎さんが佐渡で朱鷺(トキ)を題材にした能を演じるまでを丹念に描いている。面白いのは、佐渡の小学生に朱鷺への思いをつづった詩を寄せてもらい、その詩をもとに謡(うたい)を練り上げていく過程。また、能楽師や囃子も加わって少しずつ能が出来ていく様子はスリリングでもある。そして、佐渡はとても能舞台が多い所で、島の方々も新作の能の公演を楽しみにしている様子がなんとも気持ちいい。オーソドックスな作りではあるが、本番までは興味深く見ることが出来た。ただ少し残念だったのは、本番のカメラポジション。監督の意図か事情か分からないのだけど、僕はやはり正面からの映像をもっと見たい、と思った。そして、公演が終わってからのいくつかのシーンは蛇足に思えた。能舞台が閉じられるところで終わった方が余韻が残ったと思うのだが、どうだろう。7月31日からポレポレ東中野でモーニングショー。
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