『息もできない』
渋谷のシネマライズで韓国映画『息もできない』を見る。やたらと評価が高い映画のようだけど、なんでそんなに評価されているのか、僕はさっぱり分からなかった。殴る、蹴るの暴力描写が話題だが、いまはやりの(?)手ぶれ、アップで撮られたシーンはそれほどいいとも思わず、主人公の設定が、取り立て屋(日本流に言えば暴力団、なのか・・)だから、暴力自体にも必然性があり、かつ過去の家族をめぐる暴力の連鎖が描かれれば、意外なことは何もない。加えて、なんの映画かは置くとして、随分昔、それこそ70年代の日本映画にはこういう匂いの映画がいっぱいあった気がして、どうにも古臭い映画に見えてしまう。もっとも、ここ日本ではそうした肉体を感じさせるような俳優・映画も少なくなってしまったので、新鮮に感じる人はいるかもしれない。(監督であり、主演もしたヤン・イクチュンの面構えは、確かに最近、あまりスクリーンでお目にかからない顔かもしれない。)ラストシーンもほぼ予想通りで、これまた少し残念。
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