予告編編集/ポスター/『≒草間彌生』
午後、スタジオに行って予告編のハイビジョン編集に立ち会う。35mmフィルムにすると、DVのままだと文字とかがどうしてもぼけるから、ハイビジョンで編集することにしたのだ。ちなみに、最近の予告編はほとんどそうらしい。(フィルム作品もダイレクトにフィルムだけで予告編を作ることはない、ということ。)僕はこういう技術的なことはうといからなあ。ということで、編集の秦さんにお任せ状態だ。そして、秦さんはユーロスペースで同じ時期にロードショーされるアルゼンチン映画『今夜、列車は走る』の予告編の編集もされていて、その作業も同時に。配給会社の比嘉さんも来られた。こちらの映画も面白そう。そして、偶然にもなんとなくタイトルの響きが似ているのが不思議。色味などを補正して、無事終了。あとはフィルム化作業。
残すところはポスター。諸般の事情があって遅れていたのだけど、デザインも決まり、明日入稿予定。
原田さんとスケジュールなど打ち合わせ。何人か著名な方があらたにコメントをくださることになったらしい。
夜、渋谷のシネマライズに『≒草間彌生』を見に行く。内容は全く違いますが、大きく言って”アートドキュメンタリー”映画として気になっていたのだ。なんと言っても、草間さんはスターだし、≒シリーズは好きだし(今回が第5弾)、来週からライズX(ここの見る環境はよくない。『NARA』はここで見たっけ。)になるから早めに見たかったのだ。ロビーにチラシがあるかチェックしたが、ユーロスペースのロードショー作品はあるも、レイトの作品はなし。悲しい。上映前に、監督トークがあったに関わらず、少し観客数がさびしい感じもしなくでもない。わが身のことを考え、気が引き締まった。
さて、肝心のこの映画。傑作であった。実は僕は草間さんのファンではないし、作品は「すごい」とは思うのだが、好き・嫌いで言えば、あまり好きではない。だけれども、この映画は好きになった。僕は作品のイメージから、草間さんはもっとエキセントリックなイメージを勝手に持っていたのだけど(確かにチラシの写真はちと恐い)、映画では実にチャーミング。そして、この≒シリーズの美点でもあるのだけど、作品が生まれる瞬間に立ち会う興奮、そしてその作品はそのアーティストでしか生まれないだろうと思える、独特の雰囲気をうまく引き出しているのだ。言わばテレビ的な人物伝、あるいは美術解説的な部分を期待するとこのシリーズは物足りないだろう。でも、もっと違う楽しさが確かにある。(それでも、今作は説明してるほうだ。)そして、あまり知らなかったのだけど、草間さんが自作の詩を朗読していて、この詩がまたぶっとんでいて、映画にうまく取り込み効果的だ。草間さんが自分の作品を見て「素敵!」と言える気持ちがあのエネルギーを生むのだろう。久しぶりに面白かったドキュメンタリー映画でした。
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