「廃棄の文化誌」
ケヴィン・リンチ著「廃棄の文化誌―ゴミと資源のあいだ」を読み終わる。一気に読めたかと思えば躓いたりして、読むのに時間がかかってしまった。内容紹介をそのままコピペすれば、増えつづけるゴミの山、核廃棄物、ヴァンダリズム(破壊行為)、老化、死…廃棄や衰退にはマイナスイメージがつきまとう。だがゴミもリサイクルすれば資源に変わりアンティークやゴミアートとなれば新たな価値を生む。自然の循環、生命活動の循環に思いを馳せれば廃棄が不可欠なプロセスであることも見えてくる。モノ、人間、都市―廃棄のイメージを総合的に探り廃棄や衰退プロセスを上手に取りこんだライフスタイルと都市デザインを提案する、という本。とても不思議な本だった。環境破壊やエコロジーの本ではないし、都市計画の本でもない。廃棄にまつわるあらゆることが書かれていて、時間や空間の廃棄すら考察されている。じゃあ、哲学的な本かと言えば、そういう要素も含みつつ、もっと具体的なレポートでもある。日本語書名にある、文化誌、というのがしっくりくる。
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