アース・ビジョン 第18回地球環境映像祭 一日目
見たい映画があったので、アーズ・ビジョン 地球環境映像祭に行く。1本目は『水俣からの伝言―海と山と町の言葉』。内容をコピペすると、「山のもんと海のもんがつながれば、まちは、どげんかなる」 環境の破壊が何を引き起こすのかを知った水俣の人々はいま、 再生のために動き出し、循環型社会のモデル都市を目指す、という作品。熊本県民テレビ製作。園田文彰監督。水俣が生き生きと再生に向かっている様子がよく伝わってくる。少し残念なのは、多くの事例を紹介したい熱意が、幕の内弁当のようにも見えて、ぐっと入り込む感じはなかった。それでも、こういう作品こそ、全国放送で放送すべき。2本目は『おじいさんの古代米―雲南の小さな村から』。これも内容をコピペすると、多国籍企業の種を使った農業がもはや主流となった中国の農村。 古代の赤米を有機農法で育てようとする試みが始まった、というもの。中国の作品。監督はリン・ヅーヅァン。題材も登場人物も興味深いのだけど、描き方がごちゃごちゃしていて、なかなか心の中に立ち上がってくるものがなかったのが残念。3本目は昨年、見たくて見れなかった『ビューティフル・アイランズ』。これも内容をコピペすると、南太平洋のツバル、イタリアのベニス、アラスカのシシマレフ島。 気候も文化も異なる島で人々に育まれてきた、祭り、伝統工芸、水辺の暮らし。 気候変動に揺れる世界の美しい島のいま、を見つめる、という作品。海南友子監督。撮影は南幸男。お二方とも面識がある。とにかく、ハイビジョンで撮られた島の映像が美しい。ドキュメンタリーで久しぶりにまともな(?)撮影を見た気がする。ナレーションも音楽もなくつながれていく映像は、映像詩のよう。全体としても、大作。(3カ国の取材を思うと・・・。)それでも、実は、途中まで美しすぎるのではないか、などいくつかの疑問が頭の中で渦巻いていたのですが、途中から映像のリズムが体になじんできたせいか、余計なことは頭から消えていった。個人的には、高潮で水位が上昇し、水浸しになったヴェネチアの映像が衝撃的だった。美しい建築・街並みと相まって、まるでSF映画のように感じた。ラストの水が押し寄せるツバルの映像も印象的。見ながら思っていたのは、地球温暖化・水位上昇・水没という話題はそれこそニュースでいっぱい見てきたけれど、そこがどういう場所でどいう人がいるのかをちゃんと見ていなかったことに気づく。今夏、劇場公開とのこと。多分、話題になるに違いない。
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