『静かなる闘い シュティカ-冬の魂』
今日の夜はVIDEO ACT!の第48回上映会。上映した作品は『静かなる闘い シュティカー冬の魂』。今回、諸般の事情で上映会の告知が遅れてしまったのだけど、もうすぐ始まるバンクーバー冬季オリンピックの前に、ぜひ、上映したいと思い、今回上映した。内容は、バンクーバーオリンピックの会場近くの先住民の聖地・シュティカを守る闘いを描いたもの。実は僕も今日、初めてみたのだが、監督の床田さんは写真家でもあるらしくて、とにかく、シュティカの風景が美しい。聖地というだけあって、その神聖さが画面からも伝わってくる。神聖、と言っても、触らないということではなく、山を守っているヒュービーは木を刈り出して山からの恵みを得る必要も語る。全体として思ったのは、多くの先住民の方が出てくるのだが、その語り口がみんな穏やかなこと。語られる話は、先住民が差別され、何の権利もなかった話や、理不尽なリゾート開発の話など「怒り」をもって語られてもなんの不思議もない話なのだけど、声を荒げる人もいない。映画を撮影中、激烈な闘争がなかったせいなのか(昔、警察に連行されるシーンや、銃撃戦があったエピソードなども語られる)穏やかな語り方に僕は見入ってしまった。それにしても、オリンピック選手の紹介はこれでもか、というぐらいやっているのだから、開催地がどんな場所か、もっと報道されてもいいのに。少なくとも僕はこの作品を見たことで、もうすぐ始まるオリンピックを違った目で見られると思う。上映後、僕が一応、司会ということで先住民族10年市民連絡会の小林純子さんにお話を聞く。小林さんは現地に2度行かれていてさらに詳しい様子を聞かせていただき興味深かった。
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