『キャピタリズム マネーは踊る』
マイケル・ムーアの新作『キャピタリズム マネーは踊る』を見た。マイケル・ムーアの映画は基本的に突撃取材(その中にはパフォーマンス少々)+資料映像(そこには過剰なマイケル・ムーアのナレーション)で出来ていて、本作も構造は全く同じ。「こんなのドキュメンタリー映画じゃない」という声もありますが、僕自身は方法論・演出論に関しては別にいいんじゃないの、ぐらいにしか思っていない。前置きが長くなったが、今回の作品はタイトル通り(と言っても、聞きなれない者としては分かりにくいかも)「資本主義」がテーマ。映画の冒頭、家のローンが払えなくなり、差し押さえにあい、FBIが乗り込んでいく様子が写される。日本はここまでにはなっていないが、追い出しがすざまじいことになているのはご承知の通り。そこから、なぜこんなことになったのかが、分かりやすく(分かりやすすぎる単純化で)ユーモアも交えて語られる。聞くところによれば、マイケル・ムーアは元々、こうしたテーマで映画を撮り始めていたところに、金融大暴落が起きたのだとか。ドキュメンタリー映画を作っていると、時としてそういう共時制みたいなことがおきる。だから、映画は後半、この大暴落の犯人を追いかけていく。この混乱を乗り越えて、元々自分の家だった所に再度住み始める人々、工場のストライキに立ち上がる人々が最後に描かれ、グッと来る。ある女性議員が議会で「法を破って占拠せよ!(自分の家を取り戻せ)」とアジっていたのはかっこよかった。(日本ではありえなそう・・。)ちなみに、英語でははっきりと「スクワット」と言っているように聞こえました。そしてクレジット。流れてきたのは、ラグタイム調のインターナショナル!クリスマスにインターナショナルを聞くとは思わなかった。(ちなみに、僕が昨年のリーマンショックで受けた影響を3分で描いた『グローバル経済、ありがとう』はVIDEO ACT!の『続自由不平等』に収録。全16作1000円の格安で販売中。)
トラックバック URL :