「Night Game~一夜の出来事~」
今日は夜、「Night Game~一夜の出来事~」という演劇を見に行った。『船、山にのぼる』でナレーションをしていただいた、劇団大樹を主宰されている、川野誠一さんが客演されるとご案内をいただいたのだ。お芝居は、マーチン・ガフという人が書かれたものだそうで、20世紀初頭の大陸横断鉄道の客室が舞台。演劇を見に行って、つい舞台装置が気になったりするのだけど、シンプルなセットながら構造がよく考えられていて、見始めてからすぐ列車に乗って旅をしている雰囲気がよく伝わってきた。この客室にダブルブッキングで乗り合わせることになった男女のお話。「ゲーム」として夫婦を演じることになり、2人のちょっとしたドタバタがおかしい。川野さんはこの男・ダニエル役。どこかうぶで誠実そうな人物像は川野さんによく合ってるなあ、と思った。ほぼ出ずっぱりの二人の演技もとてもよかった。(今回は珍しいトリプルキャストだそうです。他の日は違ったアンサンブルが楽しめるのでしょう。)それにしても、僕は演劇をあまり見ないのだけど、役者の方々の肉体と言いますか存在感と言いますか、いつも感心させられる。今日もそうでしたが、当り前のことですが、目の前に生の存在がある、というのは独特の緊張感があって、ぴんと神経が研ぎ澄まされます。それに比べて、映画というのはどこまでいってもスクリーンの幻影を見ているわけで、不健康で倒錯した行為にも思えたりします。映画が好きっていう人はシャイで屈折しているのかもしれません。
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