「日の丸」を視る目・石川真生展
5年前、沖縄の佐喜真美術館で「沖縄ソウル 石川真生×本田孝義」という展覧会をやった。沖縄在住の写真家・石川真生さんとのコラボレーションを目指した展覧会だったのだけど、僕にとってはいろんな意味で刺激的な展覧会だった。その石川真生さんの写真展が今東京でやっているので見に行った。展覧会は「日の丸」を視る目、という。どんな写真かというと、いろんな人に「日の丸」を掲げたり、持ってもらったり、とにかく日の丸を使って表現してもらった写真なのだ。右翼から在日からアイヌ民族、沖縄の人など写っている人々はいろんな人たち。日の丸の見せ方も色々で、思わず見入ってしまうものから、つい吹き出しそうになるようなものまで種々雑多。ずっと見ているうちに、日の丸を通して写った方々の生きざまが透けて見えてくるようで面白い。特に今回は約10年前に撮られたモノクロの写真だけではなく、カラーの新作も展示されていて、より鮮烈な印象があった。やはり日の丸は「白地に赤く」なのだ。見ながらふと思うのは、自分だったらどう表現するだろう、ということだったりする。う~ん、色々考えたけど、どうもうまく表現できそうにない。そういう意味では、写っている人たちはみんな表現者なのだ。そしてそういうふうに人々を乗せながらシャッターを切っている石川さんの姿も目に浮かぶ。また石川さんに元気をもらった気がする。
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